遠山友清

遠山友清：美濃苗木藩の第九代藩主

遠山友清（とおやま ともきよ）は、江戸時代中期に美濃苗木藩の第9代藩主を務めた人物です。幼名は左吉といいました。

生涯

1735年（享保20年）に、遠山友央の次男として江戸で生まれました。1745年（延享2年）には、父の養子となっていた姉婿の遠山友明の順養子となります。1749年（寛延2年）には将軍徳川家重に御目見えし、1750年（寛延3年）には従五位下・出羽守に叙任されました。1753年（宝暦3年）、養父である友明の死去に伴い、苗木藩主を継承しました。

藩主として、彼は鍛冶橋御門番、幸橋門御門、日比谷御門、呉服橋御門といった要職を歴任しました。1762年（明和2年）には京極高矩の娘である熊子と婚姻しました。

1773年（安永2年）には、飛騨国で安永騒動が発生します。この際、大原彦四郎からの援兵要請を受け、友清は迅速な対応を見せました。藩内で緊急会議を開き、日比野村、福岡村、田瀬村の人馬を禁足させ、下目付の指揮下で人足と馬を徴集し、飛騨高山へ派遣しました。物頭の神山新左衛門を筆頭に、大目付、目付、医師、徒士、下目付など総勢350余人が出動し、高山陣屋に到着しました。騒動鎮圧後は、群衆を捕縛し、12月15日に苗木城へ帰還しました。

1776年（安永5年）には和泉守に改名、1777年（安永6年）には家督を養嗣子の友随（友明の長男）に譲り隠居しました。1781年（安永10年）に江戸麻布の下屋敷で47歳で亡くなり、中津川市苗木の遠山家廟所に葬られました。

藩主としての功績

遠山友清は、藩主として藩政を担い、その治世は安永騒動のような危機にも迅速かつ果敢に対応したことで知られています。また、江戸幕府の要職を歴任し、藩の運営に尽力しました。彼の時代は、苗木藩の歴史においても重要な時期であり、その行動は後世に語り継がれています。

参考資料

『苗木藩政史研究』　後藤時男、中津川市、1982年
『中津川市史　中巻Ⅰ』　中津川市、1988年
『恵那郡史』　恵那郡教育会、1926年
『福岡町史　通史編 下巻』　福岡町、1992年

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