遠山友随

遠山友随（とおやま ともより）

遠山友随は、江戸時代中期に美濃苗木藩の第10代藩主を務めた人物です。延享4年（1747年）に、第8代藩主・遠山友明の長男として江戸で生まれました。幼少の頃に第9代藩主・遠山友清の養子となり、その跡を継いで藩主となりました。

生涯

宝暦5年（1755年）に、友清の順養子となり、宝暦8年（1758年）には正式に友清の嗣子となりました。明和元年（1764年）には、将軍・徳川家治に拝謁し、明和2年（1765年）には従五位下に叙任され、近江守を称しました。

安永6年（1777年）に養父・友清が隠居したため、家督を継ぎ、第10代藩主となりました。藩主として、大坂加番を勤め、風紀の取り締まりに尽力しました。安永7年（1778年）には、藩主として初めて苗木城に入城しました。

寛政元年（1789年）には、領内の高山村に住む姉妹が、酒浸りの父親に代わって孝行を尽くしていることを知り、米を贈って褒賞しました。これは、領民を励ますための施策の一環でした。

この姉妹の行いは、藩士の伊東祐之によって「孝女傳」に記され、その孝行ぶりが称えられました。また、寛政2年（1790年）には、家臣の心得を定めた「諸士心得申渡書」を作成し、家臣たちに伝達しました。この心得は、長く遠山家の家訓として用いられました。

その後、大坂加番に再び任じられましたが、寛政4年（1792年）に職を辞しました。友随には実子がなかったため、先代藩主・友清の嫡子である虎五郎友福を養子に迎えていましたが、友福が早世したため、友福の長男である左吉（後の遠山友寿）に家督を譲り、隠居しました。文政4年（1821年）に75歳で亡くなり、中津川市苗木の遠山家墓所に埋葬されました。

人物・逸話

友随は、藩主として藩政に尽力し、領民の生活を安定させることに尽力しました。特に、風紀の取り締まりを重視し、藩内の秩序を維持することに努めました。また、領民の美談を褒賞したり、家臣に心得を示すなど、藩政の安定に大きく貢献しました。

参考文献

『苗木藩政史研究』後藤時男、中津川市、1982年
『中津川市史　中巻Ⅰ』中津川市、1988年
『恵那郡史』恵那郡教育会、1926年
『福岡町史　通史編 下巻』福岡町、1992年

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