遠山森林鉄道

遠山森林[[鉄道]]：山間の動脈、その歴史と復活

遠山森林[[鉄道]]は、かつて長野県下伊那郡南信濃村（現・飯田市）を中心に運行していた森林[[鉄道]]です。林野庁長野営林局の管轄下で、木材の輸送を主な目的としていました。最盛期には総延長36.5kmに達する路線網を形成していましたが、道路の整備が進み、トラック輸送が主流となるにつれて姿を消しました。

路線データ

廃止時点での主な路線は以下の通りです。

遠山線（1級路線）
路線延長：19.6km
停車場：梨元貯木場、柿の島、北又渡
遠山本谷線（1級路線）
路線延長：10.9km
停車場：北又渡、便ヶ島、西沢渡
大沢線（2級路線）
路線延長：6.0km
停車場：北又渡、大沢渡

歴史

1944年（昭和19年）12月：遠山線運行開始。
1953年（昭和28年）：大沢線運行開始。
1956年（昭和31年）1月：遠山本谷線運行開始。
1961年（昭和36年）：大沢線廃止。
1968年（昭和43年）12月13日：さよなら列車運行。営林署による運行が廃止。

沿線の資源枯渇により営林署の運材輸送は終了しましたが、本州製紙が自社所有の山林からのパルプ材輸送のため、軌道を借り受け、1973年頃まで運行を継続しました。その後、地域住民の熱意により、森林[[鉄道]]の保存と復活に向けた動きが始まりました。

2004年（平成16年）6月：「木沢地区活性化推進協議会」が客車を復元し、「梨元ていしゃば」駐車場に展示。
2012年（平成24年）12月：「夢をつなげよう遠山森林[[鉄道]]」が発足。
2014年（平成26年）11月：「梨元ていしゃば」に機関車を収容する車庫が完成。
2016年（平成28年）11月：「梨元ていしゃば」に周回コースが完成し、初の周回運転を実施。復元が実現。
2017年（平成29年）：林業遺産に登録。「定光寺自然休養林」に保存されていた運材台車・客車台車を移設。
2019年（令和元年）6月：客車の動態復元が完了し、乗車会を実施。

車両

最盛期には、機関車7両、貨車242両、人貨輸送車5両が使用されていました。

機関車：当初からディーゼル機関車を使用。
客車：人貨輸送車も存在。
貨車：ほぼ全てが木材輸送用。

運行形態

旅客輸送は「便乗」という形で行われていましたが、遭難者の便乗も許可されていました。晩年には北又渡ダムの建設資材輸送も担いました。沿線には13の停車場がありました。

現在

現在、路線のほとんどは林道に転用されています。しかし、地域住民による「夢をつなごう遠山森林[[鉄道]]」の活動により、一部区間で動態復元が行われ、トロッコ体験乗車が可能です。

「夢をつなごう遠山森林[[鉄道]]」

2011年、梨元ていしゃばにて800mの路線敷設が行われ、翌年には地元有志により「夢をつなごう遠山森林[[鉄道]]」が発足。No.96の動態復元に成功し、2013年頃からトロッコ体験乗車が開始されました。

その後、車庫の完成、路線の敷設が進められ、2017年には「定光寺自然休養林」に静態保存されていた木曽[[森林[[鉄道]]]]の台車などを引き取りました。2020年には客車の復元が完了し、乗車体験に利用されています。

周辺情報

遠山森林[[鉄道]]の周辺には、以下の様な観光スポットがあります。

遠山郷
しらびそ高原
御池山クレーター
下栗の里（日本のチロル）
道の駅遠山郷

脚注

[参考文献]

宮脇俊三「鉄道廃線跡を歩く」（JTBキャンブックス）114-115・160頁
今尾恵介・原武史「日本鉄道旅行歴史地図帳7号・東海」（新潮社、ISBN 978-4-10-790041-8）
今尾恵介「日本[[鉄道旅行地図帳]]7号・東海」（新潮社、ISBN 978-4-10-790025-8）
遠山森林[[鉄道]]写真集刊行委員会『遠山森林[[鉄道]]と山で働いた人々の記録』南信州新聞社、2004年
西裕之 『全国森林[[鉄道]]』 JTB出版、2001年、64-66頁
柳江耕二「遠山川森林[[鉄道]]を訪ねて」『鉄道ピクトリアル』No.257 1971年11月号

[外部リンク]

* 遠山森林[[鉄道]]の歴史-遠山郷観光協会

もう一度検索