邢譲

明代の学者・官僚、邢譲の生涯

邢譲（けい じょう、1427年 - 1471年）は、明代中期の学者であり、官僚としても活躍した人物です。字（あざな）は遜之といい、平陽府襄陵県を本貫とします。父は邢茂政、母は郭氏です。

若き日の才能開花

1444年、邢譲は郷挙によって国子監に入学し、その才能を早くから認められました。特に李時勉からは器量を高く評価され、同じく名声のあった劉珝と並び称されたほどです。1448年には進士に及第し、翰林院庶吉士に任じられ、順調なキャリアをスタートさせました。翌年には翰林院検討に進んでいます。

英宗復帰を巡る進言

1450年、李実がオイラトから帰国した際、邢譲は英宗を迎え入れるための使者を派遣するよう進言しました。しかし、景泰帝はこれを許可しませんでした。これに対し、邢譲は「上皇を迎え入れないのであれば、オイラトを討つべきである」と主張し、その強い正義感を表明しました。

喪に服し、そして『英宗実録』編纂へ

天順末年、父の死去により邢譲は一旦職を辞し、故郷に戻って喪に服しました。しかし、喪が明けないうちに、『英宗実録』の編纂事業に起用され、翰林院修撰として復帰。その学識と才能が再び評価されることとなります。

国子祭酒としての教育への貢献

1466年、邢譲は国子祭酒に転任しました。1468年には慈懿太后の崩御に伴う廟礼について、成化帝を諫めるなど、その忠義心を示しました。また、両京の国学教官が官僚選抜の対象とならない慣例を改めさせ、教官の待遇改善に尽力しました。邢譲は師としての自覚が高く、『辟雍通志』を編纂したり、学生たちに『小学』や経書を暗唱させるなど、教育に熱心に取り組みました。

突然の死

1469年、邢譲は礼部左侍郎に抜擢され、順風満帆なキャリアを歩んでいました。しかし1471年、国子監での飲食銭をめぐる事件に連座し、国子祭酒陳鑑、国子司業張業、典籍王允らと共に死罪を宣告されてしまいます。その後、減刑され民籍となりましたが、その年の8月18日に45歳でこの世を去りました。

業績と著書

邢譲は学者、官僚として様々な功績を残しました。特に教育への貢献は大きく、国子祭酒として多くの人材を育成しました。著書として『国子監志』22巻が残されています。

まとめ

邢譲は、明代中期の激動の時代を生きた人物です。その生涯は、学問への情熱と官僚としての責任感、そして不運な最期が入り混じった複雑なものでした。しかし、彼の残した足跡は、後の時代にまで語り継がれる価値のあるものといえるでしょう。

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