邢道栄

邢道栄（けい どうえい） - 三国志演義の虚構の武将

邢道栄は、中国の古典的な通俗歴史小説『三国志演義』に登場する架空の武将であり、その活躍は物語の中でも特に注目される部分です。彼は後漢の末期、零陵郡の太守である劉度の配下に位置しており、大斧や大鉞といった大型の武器を使いこなすことで名を馳せました。彼の戦士としての力量は、劉度の息子である劉賢から「万夫不当の荒武者」と称されるほどでした。

活躍の場面

邢道栄は『演義』第52回において初めて登場し、彼の存在は物語に深い影響を与えています。建安14年（西暦209年）、劉賢の推薦を受けた邢道栄は、劉備軍による零陵への攻撃に直面することになります。彼は劉備軍との戦闘において、先手を打とうとしますが、そこで彼が直面したのは智謀を誇る諸葛亮でした。邢道栄は、数言の口論を交えた後、力尽くで襲いかかりますが、数合も渡り合えず、彼は敗れ去ります。

敗北した邢道栄の前に立ちはだかったのは、もう一人の名将・趙雲でした。彼は趙雲の前で降伏することを選び、劉備の本営へと連れて行かれます。邢道栄は、劉備から即座に斬首の危機にさらされるものの、ここで劉賢を説得したいと訴え、なんとか彼の本営に戻ることを許されます。

謀略と結果

邢道栄が帰還すると、彼は劉賢に対して劉備軍を破るための伏兵作戦を提案しました。この計画に対して劉賢も賛同しますが、残念なことに邢道栄の策略は劉備軍に見破られてしまいます。

その結果、劉度軍は包囲を受けることになり、戦いは壊滅的なものとなりました。この戦闘において、邢道栄は趙雲に一撃で討ち取られ、劉賢は張飛に捕えられます。追い詰められた劉賢は、すべての謀略の責任を邢道栄に押し付け、彼自身は父親である劉度と共に劉備に降伏することになります。

横山光輝の描写

後に横山光輝の漫画『三国志』では、邢道栄が劉備軍に捕まった後、不可解にも劉備から不信を抱かれ、「斬れ！」という即断即決の命令によって処刑の危機にさらされます。彼の命運は、その戦績と伴って悲劇的に終息し、邢道栄というキャラクターはその虚構の中で印象的な深みを持たずにはいられません。

まとめ

邢道栄は、『三国志演義』における象徴的なキャラクターであり、彼の物語は戦争と策略の終焉を描き、歴史の一ページを飾る存在として歴史ファンに深く記憶されています。

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