郡山町 (鹿児島市)

鹿児島市郡山町：歴史と自然が息づく地

鹿児島市郡山町は、市の北端に位置し、甲突川の上流域に広がる自然豊かな町です。かつては日置郡に属し、郡山の中心として栄えました。この地域は、古代から人々の生活の舞台であり、その歴史と文化は今日まで脈々と受け継がれています。

地理

郡山町は、鹿児島市の北端に位置し、薩摩川内市入来町浦之名、小山田町、油須木町、花尾町、西俣町、郡山岳町と隣接しています。町の中心部には、甲突川が南北に流れ、国道328号線が並走しています。また、鹿児島県道40号線が東西に横断し、交通の要所となっています。集落は、上之丸、小浦、大浦、茄子田など点在しており、それぞれの地域で独特の景観を形成しています。町の中心部には、鹿児島市役所郡山支所があり、かつての郡山町の中心地としての役割を担っています。

土地区画整理事業

郡山町南部では、1995年から郡山中央土地区画整理事業が進められており、2025年に完了予定です。この事業により、市街地の整備が進められ、より住みやすい環境が実現すると期待されています。

自然

町内には、八重山（標高676.8m）をはじめとする山々が連なり、豊かな自然が残っています。甲突川の源流である甲突池は、美しい景観を保ち、地域住民の憩いの場となっています。また、八重の棚田地区は、景観法に基づく景観形成重点地区に指定されており、日本の原風景を今に伝えています。

歴史

前史時代

常盤原地区では、縄文時代、弥生時代、古墳時代の遺跡が発見されており、古代から人々がこの地で生活を営んでいたことがわかります。出土品には、土器や石器の他、墨書土器や滑石製の石鍋があり、当時の文化や生活様式を知る上で貴重な資料となっています。

郡山の成立と中世

「郡山」という地名は、鎌倉時代から見られ、薩摩国満家院の一部でした。鎌倉時代には、加治木氏や税所氏がこの地を治めましたが、南北朝時代に入ると、島津氏が支配権を確立しました。中世には、郡山城が築かれましたが、戦乱の中で放棄され、その後、島津氏の直轄領となりました。

近世の郡山村

江戸時代には、郡山郷の一部となり、地頭仮屋が置かれました。村の中心部は、行政・経済の中心地として栄え、郡山筋が北薩と鹿児島城下を結ぶ重要な役割を果たしました。平田氏が一時的に領主となりましたが、その後は島津氏の直轄領となり、村検地が実施されました。

町村制施行以降

明治時代に入ると、郡山村は周辺の村と合併し、日置郡郡山村として新たなスタートを切りました。その後、町制を施行し、郡山町となりましたが、2004年には鹿児島市に編入され、現在に至ります。この合併により、郡山町は鹿児島市の一部となり、新たな発展を遂げています。

文化財

郡山町には、上園の田の神や常盤五輪塔群など、市指定の文化財が残されており、歴史と文化の深さを感じることができます。

施設

町内には、鹿児島市役所郡山支所、郡山地区保健センター、郡山交番、消防署分遣隊、公民館、高齢者福祉センター、八重山公園、球技場、児童センターなど、様々な公共施設が整備されており、地域住民の生活を支えています。

教育

教育施設としては、鹿児島県立明桜館高等学校、鹿児島市立郡山中学校、鹿児島市立郡山小学校があります。かつて存在した鹿児島県立甲陵高等学校は、2012年に鹿児島西高等学校と統合し、明桜館高等学校となりました。

交通

交通面では、国道328号線、県道36号線、県道40号線が町内を走り、幹線道路としての役割を担っています。また、JR九州バスや鹿児島交通、コミュニティバスなどの公共交通機関が利用できます。

まとめ

郡山町は、豊かな自然と歴史が調和した魅力的な町です。古代から受け継がれる文化や、市街地の再開発など、過去と未来が交錯する場所として、今後も発展を続けることでしょう。

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