郡山岳町

郡山岳町（こおりやまたけちょう）

概要

郡山岳町は、鹿児島県鹿児島市の北西部に位置する町です。旧薩摩国日置郡に属し、歴史的な変遷を経て現在の鹿児島市の一部となりました。人口は約300人、世帯数は約175世帯の小さな町ですが、豊かな自然と歴史に彩られています。

地理

郡山岳町は、神之川の上流域に位置し、その流れに沿って集落が形成されています。町の東端には神之川が流れ、その周辺に住宅や施設が点在します。北には薩摩川内市、南には鹿児島市有屋田町、東には鹿児島市西俣町、西には重平山を挟んで日置市が隣接しています。町域の北部に位置する上宮岳は、町のシンボル的な存在であり、神之川の源流となっています。

歴史

近世

「嶽」という地名は江戸時代から見られ、薩摩国日置郡伊集院郷に属していました。1659年には島津光久によって北郷氏に領地として与えられ、明治時代まで北郷氏の領地でした。江戸時代には、村の石高は減少傾向から微増に転じ、村には20の門が存在していました。また、島津氏所有の山林「鹿倉」があり、伊集院郷の郷士が監督を行っていました。1839年には御救門割という検地が実施され、薩摩藩による銅の試掘も行われましたが、資金難により中止されました。

明治時代

明治初期の記録によると、当時の嶽村には小学校が存在し、多くの武士が居住していました。その後、小学校は下[[伊集院村]]立嶽尋常小学校、下[[伊集院村]]立大谷尋常小学校と改称されています。

町村制施行以後

1889年の町村制施行により、嶽村は周辺の村々と合併し、日置郡下[[伊集院村]]の一部となりました。その後、1956年の町村合併促進法により、下[[伊集院村]]は分割され、嶽は有屋田と共に郡山村に編入されました。郡山村は即日町制を施行し、郡山町となり、嶽は大字として郡山町の一部となりました。この合併に伴い、下[[伊集院村]]立大谷中学校と小学校は郡山町立となり、大谷中学校は1957年に郡山中学校に統合され廃校となりました。また、大谷小学校は1971年に郡山小学校と合併し、大谷小学校跡地には大谷教場が設置されましたが、翌年に廃止されました。

2004年、郡山町は鹿児島市に編入され、郡山岳町として現在に至ります。

人口

1995年以降の国勢調査によると、郡山岳町の人口は緩やかに減少傾向にあります。

施設

教育

鹿児島自然学園
鹿児島市立郡山中学校鹿児島自然学園内分教室
鹿児島市立郡山小学校鹿児島自然学園内分教室

寺社

智賀尾神社：伊邪那美命を祀る神社で、元々は上宮岳山頂に祀られていましたが、現在地に鎮座しました。神之川の名称の由来ともされています。
熊野神社：創建は128年とされ、かつては上宮岳山頂に祀られていましたが、後に現在地に移転しました。

学区

郡山岳町の児童・生徒は、鹿児島市立の郡山小学校と郡山中学校に通学します。

交通

道路

主要地方道:
鹿児島県道36号川内郡山線
鹿児島県道40号伊集院蒲生溝辺線
一般県道:
鹿児島県道309号山田湯之元停車場線

バス

かつては鹿児島交通のバス路線がありましたが、2022年9月30日をもって廃止されました。
現在は、鹿児島市コミュニティバス（あいばす）が運行しています。
西俣・中心部コース
（火・木・土運行）：岳 - 雪元
（月・水・金運行）：岳 - 雪元 - 大中上 - 梨木野 - 梨木野上 - 仕明下 - 仕明,平 - 平下 - 大谷 - 東原岐 - 轟ヶ滝 - 公民館 - 里岳中 - 山田岐 - 坂元

参考文献

「角川日本地名大辞典」編纂委員会『角川日本地名大辞典 ４６ 鹿児島県』
芳即正、五味克夫『日本歴史地名大系47巻 鹿児島県の地名』
南日本新聞『鹿児島市史Ⅴ』
郡山郷土史編纂委員会『郡山郷土史』
橋口兼古、五代秀堯、橋口兼柄著、島津久光編『三国名勝図会』

関連項目

* 岳 (曖昧さ回避ページ)

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