郭尚勲

郭尚勲の略歴

郭尚勲（クァク・サンフン、朝鮮語: 곽상훈）は、1896年10月21日に慶尚南道東萊郡で誕生した韓国の独立運動家および政治家です。大韓民国の国会議長を務めたほか、複数代の国会議員も経験しました。彼の本貫は玄風郭氏で、号は三然（サミョン）です。

学生時代と独立運動の始まり

東萊私立高等普通学校を卒業した後、京城高等工業専門学校（現・ソウル大学校）に進学したものの中退。その後の三・一運動の影響を受けて、彼は東萊機張独立運動へ参加し、結果として8ヶ月間投獄されます。この経験は彼の人生において大きな転機となり、その後は中国に渡り、上海で韓人青年同盟の幹部として活動しました。また、関東大震災の際には、朝鮮人の虐殺記録を集めるなど、国際的な視野からも積極的に独立のための活動を行いました。

故郷への帰還と政治家としてのキャリア

帰国後は、日本の予防検束によって再度拘束されましたが、日本の支配からの解放を迎えました。解放後、彼は韓国民主党を結成しましたが、1948年の初代総選挙で公認の資格を失い、無所属で選挙に挑戦した結果、当選を果たし、以後5期にわたり国会議員を務めました。

1949年からは反民族行為処罰法に基づき設立された裁判所で検察次長を務め、その後、1950年には第2代国会の全院委員長に就任しました。しかし、李承晩政権と対立を深め、親李から反李に転じるなどして、釜山政治波動で責任内閣制の改憲案を提出しました。

政治的変遷と活動

1954年には第3代国会の副議長に、1955年には民主党の最高委員へと昇進しました。1960年の4・19学生革命では李承晩が政権を失い、その後の補選で改憲国会の議長に選出され、一時的に大統領権限を代行しました。1960年の選挙では再選を果たし、議長として活動を続けますが、5・16軍事クーデターにより政界から一時引退しました。

再度政治の舞台に登場してからは、朴正煕政権への接近が目立ちました。1969年には統一院の顧問職に就任し、1971年には韓国奨学財団理事長も務めました。さらに1973年に統一主体国民会議に所属し、その運営委員長も務めるなど、韓国政治における影響力を保持し続けました。

晩年と死去

また、仁川社会事業協会や仁川体育会の会長も歴任し、地域社会への貢献も続けた郭尚勲は、1980年1月、ソウルの自宅で85歳で亡くなりました。彼の生涯は韓国の独立と発展における重要な一時期を象徴するものでした。

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