釈迦 (映画)

映画『釈迦』の概要

『釈迦』は、1961年11月1日に公開された日本の映画で、監督は三隅研次、製作は大映京都撮影所です。この作品は、日本で初めて70mmフィルムによって製作された劇映画であり、シネマスコープ（2.35:1）のスタイルで撮影されています。総天然色の映像美と、当時の大映のスターたちが一堂に会したオールスターキャストによる演技が見どころです。映画は、仏教の開祖である釈迦の生涯に注目し、紀元前5世紀のインドを背景にしています。

ストーリー

物語は、カピラ城で王子シッダが生まれるところから始まります。王子は20年後、スパーフ城で開かれた武芸大会で従兄のダイバ・ダッタを破り、ヤショダラー姫と結婚します。しかし、シッダは自身の恵まれた境遇と社会の不公平さに苦しむ中、出家を決意します。出家したシッダを思い悩むヤショダラーは、ダイバに襲われ自ら命を絶ちます。その後、シッダは荒野や原始林を彷徨い、菩提樹の下で6年間の瞑想に入ります。様々な誘惑や試練を乗り越え、最終的に悟りを開き、「仏陀」となります。

仏陀のもとには人々が集まり、その教えを受け入れるようになりますが、一方でダイバは仏陀を討とうとします。ダイバはシュラダ行者の下で神通力を獲得し、仏教徒を迫害する権力者となります。しかし、仏陀の慈愛によりダイバは赦され、仏教の教えは広まることになります。

伝承の違い

本作では、伝説として知られる釈迦の生涯に関する詳細が若干異なっています。例えば、シッダの母マーヤーは彼の誕生7日後に亡くなることなく生き延びています。また、ヤショダラーのエピソードも、一般に知られる話とは異なり、彼女がダイバに強姦された結果自害するという描写があります。さらに、釈迦亡き後のエピソードが、生存中の出来事として描かれています。

キャストと制作

本作には、シッダ太子（釈迦）を演じる本郷功次郎を始め、勝新太郎、川口浩など、名立たる俳優が出演しています。製作には多くの苦労があり、撮影のために京都府福知山市に大規模なオープンセットが建設されるなど、制作費も巨額に及びました。特にシッダの生誕シーンや瞑想の場面など、多くの特撮技術が用いられています。

音楽と現像

劇中音楽は伊福部昭が担当し、その録音はいくつかの国を経由して行われました。また、70mmフィルムの現像も海外で実施されるなど、多くの挑戦が行われました。

抗議運動

公開に際して、宗教的な観点からの抗議が相次ぎましたが、その結果、映画は国際的にも見られ注目を集めました。公開後、興行成績は驚異的で収益の昇進を遂げました。

結論

『釈迦』は日本映画史における重要な作品であり、仏教の教えや釈迦の生涯を綴った映画として、多くの人々に影響を与えました。豪華なキャストと壮大な映像美が一体となったこの映画は、今なお多くの観客に愛され続けています。

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