里見四郎左衛門

里見四郎左衛門

里見四郎左衛門は、幕末の水戸藩における尊王攘夷運動に深く関わった人物の名です。代々水戸藩士の家系で、当主が「里見四郎左衛門」の名を襲名していました。

家系

里見家は、清和源氏新田氏流里見氏の一族、里見義成の四男・義直を初代とする家系です。出羽国に下り、天童氏、次いで最上氏に仕えました。最上氏改易後、旧臣であった里見親宗が、山野辺義忠を頼って水戸藩に仕官したのが始まりとされています。禄高は2百石でした。

里見掃部義親
里見四郎左衛門親宗
里見四郎左衛門親広
里見四郎左衛門親信
里見八左衛門親善
里見四郎左衛門親和
里見四郎左衛門親候
里見四郎左衛門親長
里見四郎左衛門親賢
里見勘之介親儀
里見長四郎

里見四郎左衛門親長

寛政6年(1794年)から元治元年(1864年)を生きた人物です。初名は長八郎、雅号は松軒。里見四郎左衛門親候の子として生まれました。文政8年（1825年）に家督を継ぎ、大番組、中槍奉行、旗奉行などを歴任しました。元治元年（1864年）の元治の役では、尊王攘夷を掲げて一族を率いて参戦。水戸城近くの栗崎村に隠棲していましたが、諸生党の追っ手に発見され、妻を手にかけた後、自害しました。享年71。

里見四郎左衛門親賢

文化12年(1815年)から慶應元年(1865年)に没しました。父は里見四郎左衛門親長。初名は里之介、鉄之介、直之進。天保9年（1838年）に床机廻に任ぜられ、弘化元年（1844年）には小納戸役に昇任しました。嘉永3年（1850年）には武芸指南の功により白銀を賜っています。安政元年（1854年）に家督を継いで四郎左衛門を襲名し、町奉行となりました。尊王攘夷派に与し、文久元年（1861年）には東禅寺事件に際して免職されるも、翌年には歩行頭として再勤しています。元治元年（1864年）の天狗党の乱では、松平頼徳に従い水戸城へ向かいましたが、諸生党に拒否され神勢館の乱が勃発。榊原新左衛門に従い降伏し、古河藩に預けられ、慶應元年（1865年）に切腹しました。享年51。大正7年（1918年）には正五位を贈られています。

功績

里見四郎左衛門親長
元治元年（1864年）：元治の役に出陣し、尊皇攘夷を掲げて諸生党と戦いました。
里見四郎左衛門親賢
嘉永3年（1850年）：武芸指南の功がありました。
安政元年（1854年）：黒船来航時、床机廻を率いて水戸藩江戸藩邸を警備しました。
元治元年（1864年）：天狗党の乱において尊皇派として従軍し、藩内佐幕派と対峙しました。
大正7年（1918年）：正五位を贈られました。

里見四郎左衛門の名は、幕末の動乱期に、尊王攘夷の志士として生きた人々の象徴として、歴史に刻まれています。

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