野川保晶

野川保晶

野川保晶（のがわ やすあき）氏は、1949年4月11日に生まれました。日本の外交官として、国際舞台で活躍した人物です。東京都出身で、東京都立日比谷高等学校を経て、1973年に一橋大学法学部を卒業後、外務省に入省しました。

キャリア

外務省入省後、フランス語研修のためフランスに留学し、外務本省では広報や国連関連の業務を担当しました。その後、経済協力局経済協力第二課長補佐、在イタリア大使館一等書記官、在ザイール（現コンゴ民主共和国）大使館一等書記官、大臣官房総務課長補佐、大臣官房在外公館課首席事務官などを歴任しました。

1989年10月には中近東アフリカ局アフリカ第一課長に就任し、1992年1月には在連合王国（英国）日本国大使館参事官、1993年1月には在フランス日本国大使館参事官、1996年7月には在インド大使館参事官、公使として勤務しました。1998年8月には大臣官房通信課長、1999年8月には中近東アフリカ局外務参事官、2000年9月には大臣官房審議官兼中近東アフリカ局審議官に就任しました。2001年5月にはジュネーヴ国際機関日本政府代表部次席大使兼ジュネーヴ総領事を務めました。

2003年からはシドニー総領事を務め、2005年に外務省を退職しましたが、現役出向として独立行政法人農畜産業振興機構野菜部担当理事に就任しました。

2007年9月からは駐ミャンマー特命全権大使として、ミャンマーにおける外交活動に携わりました。2007年のミャンマー反政府デモの際には、ジャーナリストの長井健司氏が軍兵士に銃撃され死亡した事件が発生し、野川大使は、この事件に対して極めて遺憾であるとの抗議を行い、真相究明とビデオカメラ等の返還を求めました。また、2009年には、サイクロン「ナルギス」の被災地における小学校兼サイクロンシェルターの建設計画に対し、5億8100万円を限度とする無償資金協力を締結しました。

その後、査察担当大使を経て、2011年からは外務省研修所所長を務め、2012年10月9日には駐ニュージーランド特命全権大使に任命されました。同年11月13日には兼駐サモア特命全権大使、同年11月30日には兼駐クック諸島特命全権大使にも任命され、複数の国を代表する大使として活躍しました。

2015年には三井住友海上火災保険顧問に就任し、外交官としてのキャリアを終えた後も、多方面で活動を続けました。2023年には、長年の功績が認められ、瑞宝中綬章を受章しました。

同期入省者

野川氏と同期入省者には、河野雅治（元駐イタリア大使、元駐ロシア大使、元外務[[審議官]]、元総合外交政策局長）、塩尻孝二郎（元EU大使、元駐インドネシア大使、元外務省大臣官房長）、天野万利（元OECD事務次長）など、多数の著名な外交官がいます。また、塩崎修（元駐ホンジュラス大使）、坂場三男（元駐ベトナム大使、元外務報道官、元中南米局長）、伊藤哲雄（元駐ハンガリー大使、元駐カザフスタン大使）などがいます。

論文

野川氏は、外交に関する論文も発表しており、「2005年の世界情勢と日本」（世界経済評論）や、「総領事館ほっとライン(7)（サンフランシスコ）日系人社会にエールを送る」（世界週報）などがあります。

野川保晶氏は、長年にわたり日本の外交に貢献し、その幅広い経験と知識は、国際社会における日本のプレゼンス向上に大きく貢献しました。

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