野川秋良

野川秋良：青森から中央競馬へ、輝きを放った騎手人生

1943年青森県に生まれた野川秋良氏は、1969年3月1日、東京競馬場で騎手デビューを果たしました。蛯名武五郎厩舎所属として、初騎乗は東京第2競走4歳未勝利戦でした。結果は12頭中4着と、華々しいデビューとはなりませんでしたが、同年10月12日、福島競馬場で行われた4歳以上100万下競走で、カイダンジに騎乗し、初勝利を挙げました。しかし、1年目の成績は1勝にとどまりました。

翌1970年には福薗盛吉厩舎に移籍。5月30日、東京競馬場の障害ステークスでスイノソレイユに騎乗し、障害競走初勝利を飾ります。しかしその後は勝利から遠ざかり、年間3勝という結果に終わりました。1971年は勝ち星に恵まれず、苦しいシーズンとなりました。

1972年、浅野武志厩舎に移籍した野川氏に転機が訪れます。6月11日、東京競馬場のアラブ3歳競走でイシノライトに騎乗し、2年ぶりに連対を果たしました。そして8月27日、福島競馬場の3歳未勝利戦で再びイシノライトに騎乗し、2年ぶりの勝利を挙げ、復活の兆しを見せました。

1974年は飛躍の年となりました。7月21日、新潟競馬場で開催された4歳未勝利戦で、9頭中7番人気だったミツワリリーに騎乗し、岡部幸雄騎乗のハーバーライフをアタマ差で制しました。続くレースでも勝利し、自身初の1日2勝を達成。さらに、8月には新潟競馬場のアラブ王冠（秋）をハマセイユウで制し、初の重賞タイトルを獲得。年間10勝を挙げるなど、大きく飛躍しました。

1975年にはイシノアラシとのコンビで活躍。春の福島競馬場でこけもも賞、しゃくなげ賞を連勝し、勢いに乗りました。東京優駿（日本ダービー）ではカブラヤオーに騎乗し、ロングホークやエリモジョージを抑え5着と健闘しました。2日連続勝利も達成するなど、充実したシーズンとなりました。

1977年にはトウカンタケシバで愛知杯を制し、同レース2連覇を達成。1978年には4月1日、中山競馬場の爽春賞でイシノマサルに騎乗し、3年半ぶりの勝利を挙げました。夏の小倉競馬場では4勝を挙げるなど活躍し、年間11勝をマーク。再び2桁勝利を達成しました。

1980年代に入ると、勝利数は減少していきました。最後の勝利は1982年5月29日、東京競馬場の4歳未勝利戦でホッカンブレスに騎乗した時でした。そして1983年2月12日、中京競馬場の5歳以上400万下競走を最後に、現役を引退しました。

野川秋良氏の騎手生活は、華々しいデビューとは対照的に、地道な努力と粘り強さで成功を収めたと言えるでしょう。数々の勝利、重賞制覇、そして多くの競走馬との出会いを通して、彼は競馬界に大きな足跡を残しました。彼の活躍は、後進の騎手たちにとって、大きな励みとなるでしょう。

主な騎乗馬:

ハマセイユウ (1974年 アラブ王冠(秋))
トウカンタケシバ (1977年 愛知杯)

野川氏の騎手人生は、努力と忍耐、そして競走馬たちとの信頼関係によって築き上げられた、長く記憶に残るものとなりました。彼の功績は、これからも競馬史に刻み込まれ続けるでしょう。

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