野村実

野村 実の生涯と業績

野村 実（のむら みのる、1922年4月16日 - 2001年5月18日）は、滋賀県出身の著名な海軍軍人であり、軍事史学者です。彼は日本海軍史に関する深い知識を持ち、多くの重要な研究成果を上げました。

経歴の概要

野村は滋賀県彦根市に生まれ、旧制彦根中学校を卒業した後、海軍兵学校に入校しました。1942年に第71期生として卒業し、次席での卒業を果たしました。卒業後は、空母「瑞鶴」や戦艦「武蔵」に乗組し、軍令部で作戦記録の係を務めながら、太平洋戦争を経験しました。終戦時には海軍兵学校の教官として在籍していました。

戦後、野村は復員庁に勤務し、極東国際軍事裁判での海軍被告人の弁護事務にも従事しました。しかし、海軍大尉の経歴が理由で公職追放となります。その後、防衛庁の防衛研修所、後の防衛研究所において戦史編纂官として『戦史叢書』の編集に携わることになります。この作業の間、慶應義塾大学大学院に出向き、歴史研究において清水潤三から学びました。

1983年には文学博士の学位を取得し、論文のテーマは「太平洋戦争と日本軍部の研究」でした。その後、彼は防衛大学校教授、名古屋工業大学教授、愛知工業大学の客員教授、さらには軍事史学会の会長などを務め、2001年にこの世を去りました。

研究と著作

野村は、日本海軍に関連する数々の著作を残しています。特に、著書『日本海海戦の真実』においては秋山真之の戦略的貢献に対して異論を唱えました。彼の作品は、歴史を深く掘り下げるものであり、学界においても高く評価されています。

主な著作には以下のものがあります：

• - 『歴史のなかの日本海軍』（原書房、1980年）
• - 『太平洋戦争と日本軍部』（山川出版社、1983年）
• - 『海戦史に学ぶ』（文藝春秋、1985年）
• - 『天皇・伏見宮と日本海軍』（文藝春秋、1988年）
• - 『山本五十六再考』（中央公論社、1996年）
• - 『日本海海戦の真実』（講談社現代新書、1999年）
• - 『日本海軍の歴史』（吉川弘文館、2002年、新装版2023年）

また、共編著として『図説 日本海軍』や、史料編纂の業績として『海軍大将 小林躋造覚書』や『侍従武官 城英一郎日記』も残しています。

まとめ

野村実は生涯を通じて日本海軍の歴史に情熱を注ぎ、その研究成果は今なお多くの人々に影響を与えています。彼の著作は、太平洋戦争や日本軍の歴史を学ぶ上で貴重な資料として広く利用されています。

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