金倉寺

金倉寺について

金倉寺（こんぞうじ）は、香川県善通寺市金蔵寺町にある、天台寺門宗に属する寺院です。鶏足山（けいそくざん）宝幢院として知られ、本尊は薬師如来です。この寺院は四国八十八箇所の第76番札所として、信仰を集めています。

本尊とその真言

金倉寺の本尊である薬師如来の真言は「おん ころころ せんだりまとうぎ そわか」で、信者たちはこの真言を唱え、癒しや健康を祈願します。また、歴代僧侶たちにより綴られたご詠歌、「まことにも神仏僧を開くれば　真言加持の不思議なりけり」も多くの人々に親しまれています。

寺院の歴史

金倉寺の起源は宝亀5年（774年）にまで遡り、和気道善（円珍の祖父）が金輪如意（如意輪観音）を祀り始めたことが始まりです。その後、仁寿元年（851年）には道善の子、和気宅成の上奏により、自在王堂が官寺として認可され、道善寺と改名されました。

承和13年（846年）には円珍が入唐し、帰国後にこの寺を訪れ、長安の青龍寺を模した伽藍を造営し、薬師如来を本尊として安置しました。861年には伽藍の落慶法要が行われ、その後968年に醍醐天皇の勅命による名前の変更があり、金倉寺となりました。

その後、金倉寺は歴史の中で何度も火災に見舞われ、多くの宝物や文化財が失われましたが、慶安4年（1651年）には再建が行われ、現在の姿へと整えられました。こうした出来事は、地域の歴史に深く刻まれています。

境内の見どころ

金倉寺の境内には、さまざまな堂宇や文化財があります。特に本堂は本尊薬師如来に加えて、不動明王や阿弥陀如来も安置されています。1983年に再建された本堂では、毎年正月三が日には本尊の開帳が行われ、多くの参拝者が訪れます。

祖師堂（大師堂）には智証大師（円珍）の像が安置されており、四国八十八箇所の中で大師堂に弘法大師以外の「大師」を中央に祀るのは金倉寺のみです。また、訶梨帝堂は訶梨帝母を祀る特別な堂で、子授けや安産のご利益があるとして人気があります。

観音堂には秘仏の十一面観音が祀られ、信者たちはその前で静かに祈ります。その他、巡礼七福神が境内に点在しており、参拝者はそれを巡りながらお参りを楽しむことができます。ここには乃木将軍の遺品展示室もあり、かつての歴史的背景を学ぶことができます。

行事と文化

金倉寺では年に数回、さまざまな行事が開催されます。特に「円珍・乃木まつり」や「訶利帝母例祭」は、多くの人々が集まり、賑わいを見せます。石土入峰修行に参加することもでき、これは札所番号に由来するもので、山への登山を体験することができます。

アクセス

金倉寺は、四国旅客鉄道の土讃線金蔵寺駅から近く、ほかにも香川県道や自動車道からもアクセスしやすくなっています。駐車場も完備されており、訪れる際に便利です。

総じて金倉寺は、歴史、文化、信仰が豊かに融合した場所であり、訪れる者に深い体験を提供しています。四国八十八箇所の一つとして、僧侶や参拝者に支えられながら、これからも多くの人に愛され続けることでしょう。

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