金剛 (コルベット)

金剛（初代）

金剛（こんごう）は、大日本帝国海軍の草創期に建造された鉄骨木皮のコルベット艦です。艦名は、奈良県と大阪府の境にそびえる金剛山にちなんで名付けられました。姉妹艦である比叡と共に、明治期の日本海軍を支え、数々の重要な任務を遂行しました。

概要

金剛は、1870年代にイギリスのハルにあるアールス社で建造されました。設計は、後に造船総監となるエドワード・ジェームス・リードが担当しました。1878年に日本に回航され、横浜港に到着。当時の日本は、佐賀の乱や台湾出兵を経て、海軍力の増強を急務としており、金剛はその象徴的な存在となりました。

金剛は、比叡と共に、エルトゥールル号遭難事件の生存者をトルコへ送還するという国際的な任務にも従事しました。また、日[[清戦争]]や日露戦争といった重要な戦役にも参加し、日本の勝利に貢献しました。その後は測量任務に就き、日本近海の水路測量を行い、日本の海洋開発に貢献しました。1909年に除籍され、その生涯を終えました。

艦型

金剛は、鉄骨木皮船体の鉄甲帯コルベットとして建造されました。外観は当時の軍艦の典型であり、3本マストを備えた帆装を持っていました。これにより、石炭の節約や緊急時の推進力確保が可能でした。

機関

金剛の機関室の長さは約20.3メートル。主機は横置還働式2段2気筒レシプロ1基を搭載していました。シリンダーの直径は高圧が約1.5メートル、低圧が約2.5メートル、行程は約99センチでした。また、触面復水器1基を装備していました。ボイラーは高円缶6基で、蒸気圧力は60ポンド/平方インチでした。1889年には、老朽化したボイラーを横須賀海軍造船所で同形式の新型ボイラー6基と交換し、性能向上が図られました。

電気兵装

1883年には、C.T.グラム式発電機が搭載されました。これにより、艦内の照明や通信機器への電力供給が可能となり、夜間の作戦能力が向上しました。

艦歴

建造

1874年の佐賀の乱や台湾出兵による清との交渉を経て、日本は軍備増強の必要性を痛感し、イギリスとオランダに軍艦の発注を検討しました。1875年、海軍大輔の川村純義がイギリスの造船会社に軍艦3隻を発注することを提案し、許可を得ました。そのうちの1隻が、金剛です。金剛と比叡の建造費は、合わせて1,721,095円余りでした。

1875年6月15日、正式に艦名が「金剛」と決定され、同年9月24日起工。1877年4月14日に進水し、1878年1月に竣工しました。

就役後の活動

竣工後、金剛は1878年1月30日にイギリスを出港し、マルタなどを経由して4月26日に横浜港に到着しました。到着時には、イギリスへの留学生3名が便乗して帰国しました。その後、練習艦に指定され、兵学校の所轄となりました。1879年には東海鎮守府の所轄となり、常備艦として運用されました。

金剛は、西国回航や函館回航など、日本各地を巡る航海を数多く行いました。また、上海派遣や朝鮮派遣など、海外への派遣も経験しました。日[[清戦争]]や日露戦争では、主要な作戦に参加し、戦功を挙げました。日露戦争後には、測量任務に就き、日本近海の水路測量を行いました。

1890年には、エルトゥールル号遭難事件の生存者をトルコへ送還するため、僚艦比叡と共にコンスタンチノープルを訪問。1893年には、邦人保護のためホノルルに派遣されました。

除籍

老朽化のため、1909年7月20日に除籍されました。その後、売却され、その役割を終えました。

歴代艦長

金剛の艦長は、以下の通りです。

伊藤雋吉
相浦紀道
井上良馨
児玉利国
磯辺包義
青木住真
鮫島員規
日高壮之丞
田代郁彦
有馬新一
片岡七郎
舟木錬太郎
伊藤常作
世良田亮
梨羽時起
石井猪太郎
今井兼昌
成田勝郎
伊地知季珍
和田賢助
森義太郎
成川揆
中川重光
秀島成忠
山本竹三郎
真野巌次郎

関連項目

比叡 (姉妹艦)
金剛 (巡洋戦艦)
* こんごう (護衛艦)

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