伊地知季珍

伊地知季珍（いじち すえたか）

伊地知季珍は、1857年（安政4年）に鹿児島県で生まれ、1935年（昭和10年）に没した日本の海軍軍人です。最終階級は海軍中将。

海軍軍人としての経歴

1874年（明治7年）に海軍兵学寮に入学し、1883年（明治16年）に海軍少尉に任官しました。

その後、「金剛」分隊長を皮切りに、「愛宕」「武蔵」「筑波」の各分隊長、「龍驤」「橋立」の各砲術長などを歴任。

1894年（明治27年）には、「扶桑」砲術長として日清戦争に出征し、常備艦隊参謀も務めました。

日清戦争後、「大和」副長、佐世保鎮守府参謀、「扶桑」副長などを経て、1897年（明治30年）には海軍中佐に進級しています。

1898年（明治31年）には呉造兵廠検査科長に就任し、造兵監督官としてイギリスへ出張。帰国後は「武蔵」艦長を務め、1901年（明治34年）に海軍大佐に昇進。

「金剛」「浪速」の各艦長を経て、1903年（明治36年）には「出雲」艦長として日露戦争に出征。蔚山沖海戦、日本海海戦に参加しました。

日露戦争後、1905年（明治38年）には「鹿島」回航委員長として渡英し、同艦長を経て舞鶴鎮守府参謀長に就任。1907年（明治40年）には海軍少将に進級しました。

1908年（明治41年）には呉工廠長に就任。1911年（明治44年）には海軍中将に進み、第2艦隊司令長官、艦政本部長、横須賀鎮守府司令長官、呉鎮守府司令長官、海軍将官会議議員を歴任し、1917年（大正6年）に後備役に編入となりました。

栄典

伊地知季珍は、その功績により、数々の位階と勲章を授与されています。

位階

1883年（明治16年）12月25日 - 正八位
1891年（明治24年）12月16日 - 正七位
1896年（明治29年）7月20日 - 従六位
1898年（明治31年）3月8日 - 正六位
1901年（明治34年）10月30日 - 従五位
1906年（明治39年）11月30日 - 正五位
1911年（明治44年）6月20日 - 従四位
1913年（大正2年）8月11日 - 正四位
1916年（大正5年）8月30日 - 従三位
1917年（大正6年）4月10日 - 正三位

勲章等

1894年（明治27年）5月29日 - 勲六等瑞宝章
1895年（明治28年）11月18日 - 単光旭日章・功五級金鵄勲章・明治二十七八年従軍記章
1896年（明治29年）11月25日 - 勲五等瑞宝章
1902年（明治35年）5月31日 - 勲四等瑞宝章
1905年（明治38年）5月30日 - 勲三等瑞宝章
1906年（明治39年）4月1日 - 功三級金鵄勲章、旭日中綬章、明治三十七八年従軍記章
1913年（大正2年）5月31日 – 勲二等瑞宝章
1915年（大正4年）11月10日 - 大礼記念章（大正）

墓所

青山霊園に墓所があります。

参考文献

外山操編『陸海軍将官人事総覧 海軍篇』芙蓉書房出版、1981年。
福川秀樹『日本海軍将官辞典』芙蓉書房出版、2000年。
* 海軍歴史保存会編『日本海軍史』第9巻、発売:第一法規出版、1995年。

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