金午星

金午星（キム・オソン）

金午星（キム・オソン、1908年 - 1953年？）は、日本統治時代の朝鮮における共産主義理論家および文学評論家として知られています。しかし、彼は後に親日派に転向したことで評価が分かれる人物でもあります。本名は金亨俊（キム・ヒョンジュン）です。

生涯

金午星は日本大学の哲学科を卒業した後、東京で雑誌『大衆之光』を創刊しました。1926年には故郷である平安北道龍川にて農民の権利を求める小作争議を指導しました。この活動により彼は民主的権利を推進するための一環として、1927年には東京学生読書会事件に関与し、検挙されました。

1932年に日本から帰国後、彼は天道教青年党の機関誌『農民』の編集者として農村啓蒙運動に携わり、朝鮮農民社会の常任理事も務めました。1943年には朝鮮文人報国会の隨筆評論部会の評議員に選出され、親日的な立場を取り始めます。この時期には、朝鮮総督府が発行する『毎日新報』において親日的な論説を掲載しました。

1944年8月には、独立運動家である呂運亨と趙東祜が結成した「朝鮮建国同盟」に参加しました。光復後、金午星は朝鮮文学建設本部に参加し、朝鮮人民党の宣伝部長として活動しました。また、彼は民主主義民族戦線にも加わり、常任委員としての役割を果たしました。その一方で、彼は朴憲永の朝鮮共産党フラクションでの活動にも取り組み、朝鮮人民党のメンバーを共産党に引き入れるための吸収統合工作を行いました。

1946年11月、朝鮮共産党、南朝鮮新民党、朝鮮人民党の三党が合併して南朝鮮労働党が創設される際、金午星はこの党の中央委員に就任しました。1947年には北朝鮮に渡ります。1948年8月、黄海道の海州において開催された南朝鮮人民代表者大会では最高人民会議の代議員に選ばれ、その後も文化宣伝省の副大臣といった要職を務めました。

しかし、1953年に南労党の粛清が行われると、彼は金南天、金起林、権五稷とともに逮捕され、その後消息不明となりました。これにより、金午星は粛清されたと推測されています。

評価

金午星は1948年に大韓民国臨時政府の国務委員だった金承学が作成した親日人士の名簿に掲載されており、その後の評価に影響を与えています。彼の名前は263人のリストに含まれ、彼の立場や業績は今も議論され続けています。

著書

金午星の著作には、1946年春に発表された『지도자론（指導者論）』や1946年に発表された『지도자 군상（指導者群像）』などがあります。これらの著作は当時の彼の思想を知る上で、貴重な資料となっています。

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