金原亭馬好

金原亭馬好について

金原亭馬好（きんげんてい ばこう）は、落語家の名跡です。過去には複数の人物がこの名を名乗っていましたが、現在は空き名跡となっています。資料が少ないため、詳細が不明な部分も多く、亭号が不明な人物を含めると5人ほどの存在が確認されています。

歴代の金原亭馬好

確認されている金原亭馬好は以下の通りです。

初代隅田川馬好 - 後に初代雀屋翫之助を名乗る
金原亭馬好 - 『文之助系図』に、四代目金原亭馬生の門人として記録
三遊亭馬好 - 後に三升家紋吉を名乗る
三代目金原亭馬好 - 後に古今亭志ん上を名乗る
四代目金原亭馬好 - 後に九代目土橋亭里う馬を名乗る
五代目金原亭馬好 - 本項で詳述
六代目金原亭馬好 - 金原亭馬久が2025年9月に襲名予定

五代目金原亭馬好

五代目金原亭馬好（1948年5月14日 - 2019年3月19日）は、東京都台東区出身の落語家で、本名を近藤雄三といいます。落語協会に所属していました。

生涯

1948年、東京都台東区竜泉で生まれました。1963年、初代金原亭馬の助に入門し、「金原亭仔馬」として前座修行を始めました。前座時代には、日本テレビの番組「フリートーキング」にレギュラー出演し、テレビ番組を持つという異例の経験をしました。1969年、林家照蔵と共に二ツ目に昇進し、「金原亭馬太呂」と改名しました。六代目三遊亭圓生にその才能を認められ、東宝若手勉強会にも出演しました。1976年に師匠である馬の助が死去したため、兄弟子にあたる十代目金原亭馬生一門に移籍しました。1979年、橘家二三蔵、三代目八光亭春輔、六代目柳家小團治、五代目鈴の家馬勇とともに真打に昇進し、五代目金原亭馬好を襲名しました。2019年3月19日、肺がんのため70歳で亡くなりました。

芸歴

1963年9月：初代金原亭馬の助に入門、「金原亭仔馬」として前座修行を開始
1969年7月：二ツ目昇進、「金原亭馬太呂」に改名
1976年：師匠馬の助の死去に伴い、十代目金原亭馬生門下へ移籍
1979年9月：真打昇進、「五代目金原亭馬好」を襲名

演目と芸風

得意とした演目は長屋物や泥棒物などでした。大道芸にも造詣が深く、ヘブンアーティストの資格を得るほどでした（後に資格を返上）。その経験を活かし、見世物の風景などを織り込んだ「九段八景」といった独自の演目を披露していました。

新城ホーム寄席「馬好の会」

五代目金原亭馬好は、2007年より神奈川県川崎市で「馬好の会」という寄席を主催していました。会場はアートホーム村上2Fの「天秤座」でした。

各回の演目

以下に各回の演目を記載します。

第1回（2007年）：
熊の川：古今亭朝太一
疝気の虫：金原亭馬好
紙切り：桃川忠一
茶金：金原亭馬好
第2回（2008年9月1日）：
親子酒：五街道弥助
宿屋仇討：金原亭馬好
和妻：麻や子
小言念仏：金原亭馬好
お座敷大道芸
第3回（2009年4月19日）：
猿後家：桂笑生
道具屋：金原亭馬好
粋曲：柳家小菊
野ざらし：金原亭馬好
第4回（2009年9月27日）：
お見立て：古今亭駒次
江戸太神楽：花仙
大工調べ：金原亭馬好
ちりとてちん：金原亭馬好
第5回（2010年2月21日）：
風呂敷：古今亭朝太
ねずみ穴：金原亭馬好
黄金の大黒：金原亭馬好
第6回（2010年7月25日）：
洒落小町：立川談吉
動物園：三遊亭亜郎
寄合酒：金原亭馬好
南京玉すだれ：柳亭舞
蜘蛛駕籠：金原亭馬好
第7回（2011年2月20日）：
たらちね：入船亭遊一
大正演歌：福岡詩乃里
猫の皿：金原亭馬好
花見仇討：金原亭馬好
第8回（2011年10月23日）：
湯屋番：金原亭小駒
マジック：クラウン・ミニー
九段八景：金原亭馬好
堪忍袋：金原亭馬好

参考文献

諸芸懇話会、大阪芸能懇話会共編『古今東西落語家事典』平凡社、ISBN 458212612X

外部リンク

金原亭馬好 - 落語協会

もう一度検索