金町 (葛飾区)

金町（かなまち）

東京都葛飾区にある町名で、住居表示が実施されており、現在は一丁目から六丁目までが存在します。

地理

金町は葛飾区の北東部に位置し、JR常磐線金町駅の南側に広がっています。区域の大半は市街地や住宅地として利用されています。北側は東金町一丁目、三丁目、六丁目と接し、東側は江戸川を挟んで千葉県松戸市中矢切に面しています。南側は金町浄水場や柴又二丁目、三丁目と隣接し、西側は新宿三丁目、四丁目、五丁目と境界を接しています。

歴史

金町の歴史は古く、明治時代に入ると行政区画の再編が進みました。1869年（明治2年）の廃藩置県により小菅県の一部となり、その後、1871年（明治4年）には東京府管轄下の第十一大区四小区に属する金町村となりました。当時の金町村役場は現在の東金町に置かれていたとされています。町村制が施行された1889年（明治22年）には、南葛飾郡金町村の一部となりました。大正期に入り、1925年（大正14年）8月6日には町制が施行され、「金町」として新たな歩みを進めます。そして、昭和初期の1932年（昭和7年）10月1日には東京市への編入が実現し、同市の町丁となりました。戦時中の1943年（昭和18年）7月1日には都制施行に伴い、東京都葛飾区の一部となります。

戦後の大きな変化として、1966年（昭和41年）1月1日から段階的に実施された住居表示が挙げられます。この住居表示により、常磐線を境界として町域が再編成され、線の南側が現在の金町（一丁目から六丁目、および金町浄水場の一部）となり、北側が東金町として分離されました。この住居表示の完了は1981年10月1日でした。

経済と人口

金町地域に関する統計データとして、国勢調査に基づく人口や世帯数の変遷、経済センサスに基づく事業所数や従業員数の変遷が確認されています。これらのデータは、地域の社会経済的な状況やその変化を把握する上で重要な情報源となっています。

地価

住宅地の地価については、2025年（令和7年）1月1日時点の公示地価が公表されています。金町二丁目にある特定の地点では1平方メートルあたり37万8000円、また金町五丁目の別の地点では1平方メートルあたり39万円となっています。

交通

金町は交通の便が良い地域です。鉄道路線としては、東日本旅客鉄道（JR東日本）の常磐緩行線と京成電鉄の京成金町線が利用可能です。両路線とも「金町駅」が地域の中心的な駅となっており、特にJR金町駅は都心方面へのアクセスに便利です。駅周辺はバス交通の拠点でもあり、金町駅の北口と南口それぞれにバスターミナルが設けられ、葛飾区内や周辺地域への多様な路線バスが運行されています。

道路網も整備されており、主要幹線道路として国道6号線（通称：水戸街道）が地域を縦断しています。また、東京都道・千葉県道501号王子金町市川線も通っており、都内や千葉方面へのアクセスを支えています。さらに、地域の東側を流れる江戸川には、対岸の千葉県松戸市とを結ぶ新葛飾橋が架かっており、広域交通ネットワークの一部を担っています。

公共施設と教育機関

地域内には、住民生活を支える様々な公共施設や、子どもたちが学ぶ教育機関が立地しています。

主要な施設としては、地域の安全を守る金町消防署、葛飾区の行政サービスを提供する葛飾区福祉事務所、多様な蔵書を備える葛飾区立中央図書館、地域の郵便業務を担う葛飾新宿郵便局などがあります。また、特定の団体である偕和會の総合本部事務局および偕和會館もこの地域に位置しています。

教育機関としては、以下の学校があります。

葛飾区立金町小学校
葛飾区立柴原小学校
葛飾区立末広小学校
葛飾区立常盤中学校
* 東京都立葛飾特別支援学校

伝統野菜

金町は、東京の伝統野菜である「金町小蕪（かなまちこかぶら）」の発祥地としても知られています。このカブは、明治時代末期に地元の農家によって品種改良されたもので、「下千葉中生」という品種を改良し、特に春先に花芽が出にくく栽培しやすいという特徴を持っています。かつてはこの金町周辺で盛んに生産されていました。

その他

金町一丁目から六丁目までの郵便番号は125-0042であり、集配業務は葛飾新宿郵便局が担当しています。

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