金関恕

金関 恕（かなせき ひろし）について

金関恕は1927年11月19日に京都市に生まれた日本を代表する考古学者で、2018年3月13日に奈良県天理市で亡くなりました。彼は考古学に情熱を注ぎ、その業績は日本の文化遺産の多様な理解に寄与しています。また、天理大学名誉教授として多くの学生を育て上げました。

幼少期と学びの歩み

金関は1936年、父親である金関丈夫が台北帝国大学教授に就任することに伴い、台北に転居しました。そこで父の考古学研究を手伝ううちに、興味を持つようになったと言われています。1945年の終戦後に日本に帰国し、旧制松江高等学校を経て1949年に京都大学文学部に入学しました。考古学を専攻し、梅原末治や小林行雄の指導を受けて大学院に進学します。

大学院進学後は、先輩の坪井清足の勧めで奈良国立文化財研究所の臨時筆生として奈良県飛鳥寺や大阪市四天王寺などの発掘に参加することになりました。さらに、父の影響で当時の弥生時代の遺跡に関する発掘調査にも関与しました。特に山口県の土井ヶ浜遺跡や梶栗浜遺跡の調査は、彼の考古学者としての基礎を築くものでした。

考古学者としてのキャリア

1959年、金関は師の梅原末治が勤務する天理大学に移り、のちに文学部の教授となりました。在籍中は、奈良県東大寺山古墳の発掘調査や、イスラエルのテル・ゼロール遺跡の調査に参加しました。また、エン・ゲヴ遺跡を対象にした「聖書考古学発掘調査団」を組織し、発掘活動を行いました。

1997年に天理大学を退職した後も、大阪府立弥生文化博物館の館長を務め、2013年までその職にありました。彼の死後、遺言により久留米大学医学部に献体され、家族にわたる3世代の骨格標本となったことでも知られています。

研究業績と著作

金関は、多くの著作を残しており、著書には年齢を重ねた後の研究や考察が詰まっています。主な著作には『考古学は謎解きだ』や『弥生の習俗と宗教』などがあります。これらの作品では、日本の古代文化や考古学が持つ多様な側面を探求しました。

2003年には大阪文化賞を受賞し、その業績は多くの賞賛を受けました。彼が関与した著名な遺跡の発掘については、特に種子島の広田遺跡や東大寺山古墳が挙げられます。

最後に

金関恕は、日本の考古学界に多大な影響を与えた学者であると同時に、多くの学生に知識を伝える教師でもありました。彼の業績は後世に引き継がれ、考古学の発展に寄与し続けることでしょう。彼の人生と研究は、今なお多くの研究者や学生にとっての目標とされています。

もう一度検索