銀林綱男

銀林綱男は、1844年（弘化元年）に越後国で生まれ、幕末の動乱期には尊攘運動に身を投じました。戊辰戦争では新政府軍に属し、各地を転戦。明治維新後は新政府に出仕し、内務官僚としてその才能を発揮しました。

官僚としては、新潟県での勤務を経て東京府に移り、戸籍、学務、建築など多岐にわたる業務を担当。1892年には埼玉県知事に就任し、道路整備に尽力しました。知事退任後は実業界に転身し、鉄道会社や保険会社の経営に携わりました。また、東京市会議員にも選出され、政治の分野でも活躍しました。

銀林綱男は、幕末の激動期から明治維新を経て、日本の近代化に大きく貢献した人物です。官僚としては行政の効率化に努め、実業家としては経済の発展に寄与しました。その功績は、後世にも語り継がれています。

銀林綱男の経歴

1844年（弘化元年）：越後国頸城郡青海村（現・新潟県糸魚川市）で生まれる。
江戸で医学、詩文を学ぶ。
戊辰戦争では新政府軍に所属。
1868年（慶応4年）：新政府に出仕。
新潟県少属、同一等警部を歴任。
1876年：東京府に転任。
東京府大属、戸籍掛長、学務課長などを歴任。
1891年：世界博覧会出品事務委員に就任。
1892年：埼玉県知事に就任。
1894年：埼玉県知事を退任。
北越鉄道社長、横浜火災運送保険株式会社 東京支店監督などを務める。
1902年：東京市会議員に当選。
1905年：東京市会議員在職中に死去。

銀林綱男の栄典

1884年（明治17年）：従六位
1894年（明治27年）：従四位
1888年（明治21年）：勲六等単光旭日章
1889年（明治22年）：大日本帝国憲法発布記念章

親族

孫：銀林浩（数学者）
曾孫：片山さつき（政治家）

交友関係

前島密（同郷の人物）

参考資料

歴代知事編纂会編『新編日本の歴代知事』歴代知事編纂会、1991年。
秦郁彦編『日本官僚制総合事典：1868 - 2000』東京大学出版会、2001年。
* 上田正昭他『日本人名大辞典』講談社、2001年。

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