概要
銚子
漁港は、
千葉県銚子市の
太平洋に面した、利根川
河口付近に位置する特定第3種
漁港です。この
漁港は、全国でも有数の水産物
流通拠点として知られ、年間水揚げ量では常に全国トップクラスを誇ります。また、水郷筑波国定公園の区域内に位置し、周辺の海岸線は砂浜や岩礁が織りなす変化に富んだ美しい景観を有しています。
銚子
漁港は、その地理的な特性から、古くから
漁業が盛んな地域でした。戦後の
漁業活動領域の拡大や
朝鮮特需を背景に、
1951年には全国で最初に特定第3種
漁港に指定され、日本の
漁業拠点としての地位を確立しました。春にはタイ、夏には
イワシやカツオ、秋には
サバやサンマ、冬にはヒラメなど、四季折々の豊富な魚種が水揚げされ、全国各地から
漁船が集まる「
漁業基地」となっています。近年では、「銚子つりきんめ」や「銚子の入梅いわし」といったブランド魚も人気を集めています。
良質な漁港環境
銚子
漁港は、以下の点で
漁業にとって非常に恵まれた環境にあります。
三方を海に囲まれている: 広大な漁場にアクセスしやすい立地です。
親潮と黒潮の合流点: 寒流と暖流が交わることで、多様な魚種が生息しています。
利根川からの豊富な栄養: 利根川が運ぶ有機物により、プランクトンが豊富に発生し、魚の餌が豊富です。
広大な大陸棚: 沖合には水深200メートルの
大陸棚が広がり、多様な
魚介類が生息する豊かな漁場を形成しています。
漁港周辺には、水産加工工場や関連施設、新鮮な
魚介類を提供する飲食店などが立ち並び、活気に満ち溢れています。また、複合施設「ウオッセ21」や銚子ポートタワーといった観光施設も整備され、多くの観光客が訪れています。
歴史
古代・中世
銚子
漁港の歴史は古く、
平安時代には「飯沼」や「三前」と呼ばれていました。この地は、古くから
漁業が盛んであり、海上氏などの豪族が支配していました。円福寺(飯沼観音)や川口神社など、歴史的な寺社も多く、漁師たちの信仰を集めていました。
近世
江戸時代に入ると、利根川東遷事業により、銚子は江戸との水運が発達しました。これにより、近畿地方からの漁民が移住し、
イワシ漁が盛んになりました。銚子は、
イワシの漁獲地として知られるようになり、同時に
干鰯の産地として栄えました。また、
銚子半島の南部に位置する外川
漁港も、
紀州藩の漁師によって整備され、
漁業と海運で繁栄しました。
東廻り航路と醸造業
江戸時代中期になると、東北地方と江戸を結ぶ東廻り航路が整備され、銚子は重要な寄港地となりました。また、この頃から銚子では
醤油の醸造が盛んになり、ヤマサ
醤油やヒゲタ
醤油といった、現在も続く
醤油メーカーが誕生しました。
川舟と運輸
17世紀後半には、利根川水運が発達し、銚子は物資の集積地として栄えました。
高瀬舟と呼ばれる大型の川舟が、年貢米や特産品を江戸に輸送しました。銚子は、北総地域全体の発展に大きく貢献しました。
近代
明治時代に入ると、銚子
漁港はさらに発展を遂げました。蒸気船の就航や鉄道の開通により、観光客も増加しました。しかし、港湾の整備が遅れていたため、近代化が必要とされました。
1925年には、第一次整備計画が完了し、
漁港の近代化が進められました。
現代
第二次世界大戦中には、空襲により大きな被害を受けましたが、戦後復興が進み、
1951年には特定第3種
漁港に指定されました。現在では、
漁港の整備や観光施設の建設が進み、日本有数の
漁港として、また観光都市としても発展を続けています。
銚子
漁港には、3つの卸売市場や、簡易荷捌場、貸事務所などがあります。また、高度衛生管理に対応した施設も整備され、漁獲物の品質向上に努めています。
第1卸売場(中央市場)
第2卸売場
第3卸売場
簡易荷捌場
貸事務所
主な魚種
銚子漁港では、多種多様な魚介類が水揚げされます。特に、以下の魚種は銚子のプライドフィッシュとして知られています。
銚子つりきんめ「銚金」: 釣りで丁寧に漁獲されたキンメダイで、鮮やかな色と傷のない美しい魚体が特徴です。
*
銚子の入梅いわし: 梅雨の時期に水揚げされるマ
イワシで、脂がのって美味しいと評判です。
その他にも、
イワシ、
サバ、アジ、サンマ、
マグロなど、様々な魚種が水揚げされています。
銚子
漁港では、まき網
漁業、敷網
漁業、はえなわなど、様々な
漁業が行われています。
港勢
銚子
漁港は、
千葉県が管理し、
銚子市漁業協同組合が運営しています。2013年には、水揚げ量で全国1位を記録しました。
交通
銚子
漁港へは、鉄道や路線バス、自動車でアクセスできます。周辺には無料の駐車場も整備されています。
まとめ
銚子
漁港は、豊かな漁場と歴史に育まれた、日本を代表する
漁港です。新鮮な
魚介類を味わえるだけでなく、観光スポットとしても魅力的な場所です。ぜひ一度、銚子
漁港を訪れて、その活気と魅力を感じてみてください。