銭大鈞

銭大鈞: 中華民国の軍人・政治家

銭大鈞（せん たいきん）は、中華民国、とりわけ台湾で活躍した軍人および政治家です。彼は国民革命軍の草創期からその活動を開始し、蔣介石の側近として知られ、その生涯を通して多くの歴史的な出来事に関与しました。彼の名は、台湾の歴史に長く刻まれています。

幼少期と教育

銭大鈞は、1903年に貢士の家庭に生まれ、若い頃から教育を受けました。1909年、南京の江蘇陸軍小学堂に進学し、さらなる教育を受けました。辛亥革命が勃発すると、彼は上海の学生軍に参加し、革命派の活動に身を投じます。革命が進展する中、松江軍政分府の松江軍幹部学校に入学し、卒業後は松江軍としての任務を開始します。

早期の軍歴

1912年には江蘇陸軍小学堂に復学し、同年末に卒業しました。その後、第二革命が勃発すると、銭は鈕永建の配下で決死隊を結成。しかし、革命派は敗北し、彼は故郷に逃れることとなります。1914年には日本へ留学し、孫文に出会い、彼の理念に感銘を受けることで中華革命党に加入しました。その後、武漢での南湖陸軍第二予備学校で学びつつ、革命活動を続けます。

国民革命軍での台頭

1919年、銭は保定陸軍軍官学校に入学し、さまざまな役職を歴任していきます。特に、1925年の第1次東征では本部少将参謀長に任命され、蔣介石を補佐します。この活動において、彼は陳炯明の部隊と戦い、軍典を築いていきます。1927年の上海クーデターでは、銭は影響力を強め、広州で共産党を粛清するなどの活動を行いました。

蔣介石の側近として

銭大鈞は1928年から淞滬方面に駐留し、淞滬警備司令や江蘇省政府の重要職に就きます。蔣桂戦争では蔣介石を支援し、国民政府の運営に深く関与しました。国民政府の英才教育の一環として、中央陸軍軍官学校武漢分校の教育長も努め、さらなる戦闘指導者としての道を歩んでいきます。

日中戦争とその後の動向

日中戦争が勃発すると、彼は航空委員会主任として中国空軍の指揮を執ります。しかし、戦局の厳しさから彼の指導もさまざまな困難に直面しました。戦後は、上海市長に就任し、軍政界から一時的に引退。1948年には行憲国民大会の代表に選ばれますが、国共内戦では国民党の敗北に直面し、台湾へ逃れることとなります。

晩年と影響

台湾では軍政及び教育の分野で活動を続け、その後はチャイナエアラインの董事長に就任しました。スポーツ振興にも熱心で、さまざまな役職を通じて台湾の発展に寄与しました。1982年、台北市にて彼は90歳で生涯を終えたが、その功績は今もなお評価されています。彼の名前は中華民国の歴史において特に重要な位置を占めています。

栄典

銭大鈞はさまざまな栄誉を受け、青天白日勲章や一等雲麾勲章を含む数々の勲章を持っています。

銭大鈞の生涯は、中国の近代史、とりわけ国民革命軍における重要な転機を理解する上で欠かせないものです。彼の活動は政治や軍事だけでなく、教育やスポーツなど、多岐にわたりました。

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