長山尚義

長山尚義：実業家、そして競馬界の情熱家

長山尚義氏は、1945年に東京都で生まれました。幼少期から野球に情熱を注ぎ、プロを目指せるほどの腕前でしたが、高校2年生の時に父親が急逝したことをきっかけに、家業の経営に携わることを決意します。法政大学経営学部に進学するも中退し、就職を経て事務機器の販売会社、株式会社エース事務機を設立しました。現在は同社の代表取締役会長を務め、経営者としての手腕を発揮しています。

馬主としての長山尚義

長山氏は、JRAの馬主としても知られています。勝負服は海老色、袖は白元禄で、冠名には自身の名字から「チョウサン」を用いています。競馬への情熱は学生時代から強く、血統の研究に熱心で、短波放送を聴いたり、場外馬券売場へ頻繁に足を運んでいたと言います。馬主を志したきっかけは、テレビ番組で大橋巨泉が「馬主もどきができる」と発言したことでした。この言葉に触発され、社台レースホースへの出資を開始。最初に幸運を呼び込んだ馬が、1987年の阪神3歳ステークス、1988年のマイルチャンピオンシップなどを制覇したサッカーボーイでした。その後も、オルフェーヴル、ジェンティルドンナなど、数々のGI競走優勝馬に出資し、その実績は目覚ましいものがあります。

1985年には個人馬主資格を取得し、1999年から自身の名義で競走馬を所有しています。2007年には、チョウサンが毎日王冠を制し、重賞初勝利を飾りました。さらに、繁殖牝馬セールで、自身が出資していたパーフェクトジョイの半妹シャドウシルエットを購入し、その産駒を全て所有。そこから、ケイアイチョウサン、オジュウチョウサンという2頭の重賞勝ち馬が誕生しました。特に、オジュウチョウサンは障害競走で圧倒的な強さを誇り、数々のGIタイトルを獲得しました。

オジュウチョウサンとの物語

長山氏の愛馬の中でも、特に特別な存在がオジュウチョウサンです。オジュウチョウサンは、障害競走で驚異的な記録を打ち立て、多くの競馬ファンを魅了しました。長山氏は、オジュウチョウサンとの出会いから引退までの軌跡をまとめた書籍『オジュウチョウサン 夢とロマンは果てしなく』を2023年に出版。この本では、オジュウチョウサンへの深い愛情と、競馬への情熱が綴られています。

その他のエピソード

長山氏は、アマチュア野球選手でプロ[[野球]]スカウトとしても知られる山本泰氏と親交があり、共に社台サラブレッドクラブの会員でした。山本氏がなかなか重賞クラスの馬に出資できないでいた際、長山氏は「スタセリタの2014」への出資を勧め、これが後のGI馬ソウルスターリングに繋がったというエピソードがあります。長山氏は、競馬の世界においても、その先見の明と人との繋がりを大切にしていることが伺えます。

来歴（個人馬主として）

1985年：馬主資格を取得。
1999年：所有馬ヤングエースが初勝利。
2007年：チョウサンが毎日王冠を制し、重賞初制覇。
2012年：所有馬の名義を株式会社チョウサンに変更。
2013年：ケイアイチョウサンがラジオNIKKEI賞を制し、現在の名義で重賞初制覇。
2016年：オジュウチョウサンが中山グランドジャンプを制し、GI級競走初制覇。

主な所有馬

GI級競走優勝馬
オジュウチョウサン（中山グランドジャンプ6回、中山大障害3回、阪神スプリングジャンプ3回、東京ハイジャンプ2回、2016年東京ジャンプステークス）

重賞競走優勝馬
チョウサン（2007年毎日王冠、個人名義時）
ケイアイチョウサン（2013年ラジオNIKKEI賞）

主な出資馬

サッカーボーイ
プロストライン
バブルガムフェロー
ダンスインザダーク
ステイゴールド
ロサード
ローズバド
クリーバレン
ストロングリターン
レーヴディソール
オルフェーヴル
ジェンティルドンナ
ソウルスターリング
パフォーマプロミス
シェーングランツ

著書

『オジュウチョウサン 夢とロマンは果てしなく』（KADOKAWA、2023年）

関連人物

柴田勲 - 法政二高野球部所属時の2学年上に在籍。
村上雅則 - 同部所属時の1学年上に在籍。

外部リンク

エース事務機

もう一度検索