長栄海運

長栄海運（エバーグリーン・マリン）とは

長栄海運（Evergreen Marine Corporation）は、台湾を代表する海運会社であり、エバーグリーン・グループの中核企業です。本社を台湾の桃園県に置き、台北市にも本部を構えています。世界各地に広がる広大なネットワークを持ち、200隻を超えるコンテナ船を運航し、国際物流を支える重要な役割を担っています。

世界的なコンテナ輸送企業

長栄海運は、東アジアとアメリカ西海岸を中心に、世界80カ国以上、240以上の港を結ぶ航路を運航しています。その輸送量は世界でもトップクラスであり、マースク、MSC、CMA CGMに次ぐ世界第4位のコンテナ物流企業として、その存在感を示しています。

多角的な事業展開

海運業に加え、コンテナ製造、船舶建造、港湾運営、不動産など、多岐にわたる事業を手掛けています。子会社には、台湾のユニグローリー・マリン、英国のエバーグリーンUK、イタリアのイタリア・マリッティマなどが含まれます。2007年には、ハツ・マリンを含む3社を統合し、エバーグリーン・ラインとしてブランドを統一しました。

特徴的なコンテナ

長栄海運のコンテナは、緑色に塗られ、白文字で「EVERGREEN」と記されているのが特徴です。コンテナ船も同様に、緑色の船体に白文字で社名が表記されています。また、冷凍コンテナは白地に緑色の文字が使われています。

創業者 張栄発（ちょうえいはつ）

1927年、台湾の蘇澳で生まれた張栄発は、船員の息子として育ちました。南日本汽船での勤務を経て、独学で航海士免許を取得し、船長まで上り詰めました。1961年に最初の海運会社を設立後、1968年に長栄海運を設立しました。彼の卓越した経営手腕により、長栄海運は世界的な企業へと成長しました。1989年にはエバー航空を設立し、航空業界にも進出しました。社会貢献活動にも熱心で、教育や医療分野への寄付、日台交流の促進にも尽力しました。2016年に88歳で生涯を終えました。

設立からの歩み

1968年の設立後、中東航路に進出し、1970年代には東アジア・中米間航路へと拡大しました。1974年にはアメリカ航路を開設し、ニューヨークに事務所を開設しました。1970年代のエネルギー危機を機に、在来船からコンテナ船への転換を図り、1975年にはフルコンテナ船の定期航路を開設しました。1984年にはコンテナ船で初となる世界一周航路を開設しました。

サービス内容

長栄海運は、以下の5つの主要なサービスを提供しています。

東アジアから北アメリカ/中央アメリカ
東アジアからヨーロッパ北部/地中海側
ヨーロッパから北アメリカ (大西洋横断)
東アジアから南半球 (オセアニア、アフリカ、南アメリカ)
アジア地域内

特に、東アジアと北アメリカを結ぶ路線が最も頻繁に運航されており、日本、台湾、中国、韓国の各港とアメリカ西海岸を結んでいます。また、パナマ運河を経由し、カリブ海東部やアメリカ大西洋岸へ向かう路線も提供しています。

グループ企業

長栄海運は、グループ全体で幅広い事業を展開しています。エバー航空、ユニー航空、長栄国際公司、長栄国際儲運公司、長栄航太科技公司、長栄保全公司、長栄空厨公司、長栄交響楽団、エバーグリーン・ローレルホテルなどが含まれます。

コンテナターミナル

長栄海運は、世界各地にコンテナターミナルを保有しています。特に重要なターミナルは、以下の4つです。

台中コンテナターミナル（台湾）
高雄コンテナターミナル（台湾）
コロン・コンテナターミナル（パナマ）
* タラント・コンテナターミナル（イタリア）

これらのターミナルは、コンテナの積替え拠点として重要な役割を果たしています。

まとめ

長栄海運は、創業者である張栄発の卓越したリーダーシップのもと、世界的な海運企業として成長を遂げました。その事業は海運業にとどまらず、航空、ホテル、文化など多岐にわたり、台湾経済の発展に大きく貢献しています。

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