長渕剛LIVE'89

長渕剛LIVE'89：昭和ツアーファイナルの熱狂を凝縮したライブアルバム

1990年2月21日、東芝EMI／エキスプレスよりリリースされた『長渕剛LIVE'89』は、日本の音楽史に燦然と輝く、長渕剛のライブ・アルバムです。1989年7月13日、14日の2日間、横浜アリーナで開催された『昭和』ツアーのファイナル公演を収録した、2枚組CDという豪華な仕様となっています。

ツアーの熱気と完成度の高さ

この『昭和』ツアーは、長渕剛にとっても、そして関わったミュージシャンにとっても、非常にハードで記憶に残るものだったようです。ツアーメンバーである笛吹利明氏は、どの公演の音源を使ってもライブアルバムが作れるほどのクオリティの高さを証言しており、長渕剛自身も「一番ハードなツアーだった」と振り返っています。その証左ともいえる、圧倒的なパフォーマンスと完成度の高いサウンドが、このアルバムには凝縮されています。

選曲と構成：編集された名曲の数々

アルバムには、長渕剛の代表曲はもちろんのこと、多くのファンを魅了する名曲が収録されています。しかしながら、『完全版』というわけではない点に注意が必要です。収録されている楽曲の順序は、実際の公演とは異なっており、編集によって構成されています。また、弾き語りコーナーで披露された「勇次」は、残念ながら収録されていません。それでもなお、このアルバムが多くのファンから愛され続けているのは、長渕剛の圧倒的な歌唱力と、演奏の熱量、そしてライブ会場の熱狂的な空気が余すことなく伝わってくるからでしょう。

ライブの臨場感と聴衆との一体感

このアルバムの聴きどころの一つとして、聴衆との一体感が挙げられます。特に「乾杯」では、ほぼ聴衆によって歌われている様子が収録されており、ライブ会場の一体感を見事に捉えています。このライブバージョンは、後に1994年リリースのベストアルバム『いつかの少年』にも収録され、多くのリスナーに感動を与え続けています。

収録楽曲：DISC1とDISC2

DISC1には、「くそったれの人生」、「泣いてチンピラ」、「ろくなもんじゃねえ」、「ほんまにうち寂しかったんよ」、「He・la-He・la」、「巡恋歌」、「シェリー」、「激愛」、「乾杯」、「素顔」、「碑」、「いつかの少年」が収録されています。「いつかの少年」は、シングル「しょっぱい三日月の夜」のカップリング曲として知られています。

DISC2には、「GO STRAIGHT」、「プン プン プン」、「SUPER STAR」、「明け方までにはケリがつく」、「裸足のまんまで」、「DON'T CRY MY LOVE」、「勇次」、「とんぼ」、「STAY DREAM」、「昭和」が収録されています。「DON'T CRY MY LOVE」は、長渕剛のMCから始まる構成となっています。

参加ミュージシャン

このアルバムには、長渕剛に加え、島村英二（ドラムス）、岡沢章（エレクトリックベース）、笛吹利明（アコースティックギター）、矢島賢（エレクトリックギター）、中西康晴（キーボード）、浜田良美（コーラス、ギター）といった豪華なメンバーが参加しています。彼ら一流ミュージシャンの卓越した演奏が、長渕剛のパフォーマンスをさらに際立たせています。

まとめ

『長渕剛LIVE'89』は、長渕剛の代表的なライブアルバムの一つであり、昭和ツアーの熱狂と、ミュージシャンたちの高い演奏技術、そして聴衆との一体感を余すことなく体験できる、まさに必聴の一枚です。長渕剛の音楽史において、重要な位置を占める作品と言えるでしょう。一度聴いたら、その圧倒的な力に心を奪われること間違いありません。

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