長谷駅 (広島県)

長谷駅（廃駅）

長谷駅は、広島県三次市粟屋町字長谷に位置していた、西日本旅客鉄道（JR西日本）三江線の駅でした。2018年4月1日の三江線廃止に伴い、その歴史に幕を閉じました。

概要

元々は時刻表にも記載されない仮乗降場でしたが、1987年の国鉄分割民営化を機に駅として認められ、JR西日本発足時に正式な駅へと昇格しました。

特筆すべき点として、三江線内で唯一、通過列車が設定されていた駅でした。停車する列車はごく一部で、廃止前の2017年時点では、下り2本、上り3本のみが停車。特に、下りの最終列車は午前9時台、上りの始発列車は午後2時台と、時間帯が大きく偏っていました。

この背景には、駅付近の集落にあった小学校（粟屋小学校北分校）が過疎化により閉校し、子供たちが歩いて通学できなくなったという事情がありました。三次方面への通学を考慮した結果、このような特殊なダイヤが組まれていたのです。しかし、駅を利用する児童がいなくなってからも、ダイヤは開業当時からほとんど変わることはありませんでした。

2012年10月から12月にかけて実施されたJR三江線増便社会実験では、バス便が運行され、全てのバスが長谷駅に停車しました。しかし、下りの最終便は午後1時台であり、列車の停車本数が増えることはありませんでした。

歴史

1969年4月25日：三江南線（当時）の粟屋駅 - 船佐駅間に、長谷仮乗降場として新設。
1975年8月31日：江津駅 - 三次駅間の全通により三江南線が三江線の一部となり、当駅も三江線所属となる。
1987年4月1日：国鉄分割民営化に伴い、長谷駅として開業。JR西日本が継承。
2018年4月1日：三江線全線廃止に伴い、廃駅。

駅構造

三次方面に向かって左側に、単式ホーム1面1線を有する地上駅でした。駅は川に向かう斜面に位置し、道路からやや高い場所にありました。

ホームの少し下には、小さな木造の駅舎がありました。これは仮乗降場として新設された当時に、教育委員会が建設したものです。浜田鉄道部が管理する無人駅で、自動券売機などは設置されていませんでした。

2021年3月末時点では、旧駅舎やホームなどの施設、駅周辺の線路が残っていましたが、ホームへの立ち入りはロープで制限されていました。また、ホーム上の駅名板は撤去されています。

利用状況

1日の平均乗車人員は以下の通りです。

（データは省略）

駅周辺

駅周辺には小さな集落があります。

国道375号
広島県道112号三次江津線
江の川

バス路線

三江線の代替路線として、以下のバス路線があります（2018年4月1日現在）。

お太助バス式敷三次線（芸北タクシー、ニコニコタクシー）：長谷停留所

その他

三江線活性化協議会によって、石見神楽の演目名にちなんだ「鍾馗」という愛称が付けられていました。

隣の駅

西日本旅客鉄道（JR西日本）

三江線

船佐駅 - 長谷駅 - 粟屋駅

※一部の列車は当駅を通過していました。

脚注

（脚注は省略）

関連項目

日本の鉄道駅一覧
秘境駅

外部リンク

JR西日本（長谷駅）
ぶらり三江線WEB：長谷

もう一度検索