門田元実

門田元実の生涯

門田元実（もんでん もとざね）は、1543年に毛利氏庶流の門田元忠の嫡男として生を受け、戦国時代から江戸時代前期にかけて活躍した武将である。彼の初名は「貞広」とされており、武士としての道を歩むこととなる。

若き日の元実

元実は、天文12年（1543年）に誕生し、弘治3年（1557年）12月2日には、毛利氏家臣239名と共に軍勢の秩序維持を誓う連署起請文に名を連ねた。この文書では、74番目に「門田少輔十郎」として署名していることから、若い頃からすでに家臣としての責任感を持っていたことが伺える。

毛利家からの離脱

天正2年（1574年）、元実の祖父である就顕が亡くなると、その後を父元忠が継いだ。しかし父は毛利輝元から暇乞いを受け、牢人となってしまい、元実もまた毛利家を離れることになる。この経験は、元実にとって武士としての試練となった。しかし、彼は後に少ない知行地で召し返され、再び毛利家に帰参し、武士としての立場を取り戻すことができた。

官途名の授与

天正18年（1590年）12月13日、毛利輝元から「五右衛門尉」の官途名が与えられた。この時、元実は毛利輝元より特別な信任を受け、彼の域を超えた存在感を示すこととなる。また、元実が「五兵衛」として活躍していた際には、輝元によって井上元次との協力の下、新たに33石の給地を受ける旨が命じられている。

受領名と家族

慶長16年（1611年）に、元実はついに「但馬守」の受領名を授与され、名跡の確立がなされた。さらに慶長19年（1614年）には、井上元常の次男である門田元雄が元実の末娘と結婚し婿養子となる。元実の嫡男であった長三郎は幼少期にこの世を去っていたため、娘を嫁がせて婿を迎え入れることで家系が安泰となるよう取り計らった。

この際、毛利輝元は元雄に対し、58石余の土地を譲渡することを承認した。ただし、夫妻が不和になった場合には土地は娘に戻されるという取り決めがなされており、家族の絆を重視した思慮が見て取れる。

晩年

元実は、寛永15年（1638年）11月16日に96歳で亡くなった。彼の生涯は、戦国時代から江戸時代前期の様々な変遷に立ち向かいながら、毛利家に尽くしたものとして記憶されるであろう。

参考文献

• - 東京帝国大学文学部史料編纂所 編『大日本古文書 家わけ第8-2 毛利家文書之二』東京帝国大学、1922年。
• - 岡部忠夫編著『萩藩諸家系譜』琵琶書房、1983年。
• - 山口県文書館編『萩藩閥閲録』巻82「門田次郎兵衛」

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