間々田宿

間々田宿の歴史と特徴

間々田宿（ままだしゅく）は、江戸時代に日光街道（日光道中）に設けられた宿場で、現在の栃木県小山市間々田の地に位置しています。この宿場は、江戸・日本橋から数えて11番目の宿場であり、訪れる人々にとって重要な休憩地点となっていました。

宿駅としての設置

間々田宿は、元和4年（1618年）に公式に宿駅として指定されました。その後、宿駅の管理は時期に応じて異なる藩や幕府に委ねられ、寛永10年（1633年）からは古河藩、正徳2年（1712年）からは幕府、そして安永3年（1774年）以降は宇都宮藩がその役割を担いました。

宿場の具体的な規模も記録に残っており、天保14年（1843年）の『日光道中宿村大概帳』によると、本陣と脇本陣がそれぞれ1軒ずつ存在し、50軒の旅籠が設けられていました。旅籠の中でも、大小さまざまなものがあり、大型旅館が5軒、中型が17軒、小型が28軒という内訳です。宿場内の家屋は175軒、人口は947人というデータも残っています。

この宿場は、現在の国道4号線沿い、龍昌寺から浄光院・行泉寺にかけて展開しており、南の江戸側から下町・中町・上町・土手向町という構成で成り立っていました。特に本陣と脇本陣は中町に位置していました。

乙女河岸

間々田宿の西側には乙女河岸があり、ここは思川の流域に位置していました。この河岸は、大型の高瀬舟が接岸できる場所であり、特に日光東照宮の造営に際しては御用河岸とされていたため、多くの資材がここから運び込まれました。資材は江戸川・利根川・渡良瀬川を通じて陸揚げされた後、日光街道や壬生通りを経由して輸送されました。

助郷制度

宿場町では、参勤交代や公用の人々や物品を運送するために人馬を常に備えておく必要がありました。間々田宿も例外ではなく、近隣の村々が助け合うために定助郷に指定されました。間々田宿では、網戸、間中、寒川、中里、鏡、乙女、小袋、下河原田、野田、粟宮など25の村がこの制度に参加していました。

名所・旧跡

間々田宿には、旧小川家住宅（現小山市立車屋美術館）が存在します。この建物は、乙女河岸で肥料問屋を営んでいた小川家が、大正元年前後に日光街道沿いに移転したものです。特に注目すべきは、乙女河岸から移築された土蔵であり、今やこの地域における貴重な遺構となっています。現在、この歴史的な建物は改装され、美術館として一般公開されています。

交通と隣接する宿場

間々田宿は日光街道沿いに位置し、その隣には野木宿と小山宿があります。この立地は交通の要所としても重要で、多くの旅人が利用していました。

関連文献

歴史的背景や詳細な情報は、小山市史編さん委員会が編集した『小山市史 通史編II 近世』や、日光街道ルネッサンス21推進委員会の『栃木の日光街道』に記載されています。これらの文献を通じて、間々田宿の歴史や重要性を深く知ることができます。

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