小山宿

小山宿の歴史と魅力

小山宿（おやましゅく）は、江戸時代に日光街道に設けられた宿場で、現在の栃木県小山市の中心部に当たります。日光街道は、江戸・日本橋から数えて12番目の宿場であり、この地は古くから交通の要所として発展しました。

元和3年（1617年）には宿駅に指定されたと考えられており、宿駅の管理は歴史の中で何度か変遷しました。最初は古河藩が受け持ち、続いて幕府、再び古河藩に戻り、最後に宇都宮藩が管理を行うようになります。このように、小山宿は時代の流れの中で様々な勢力によって支えられてきました。特に、「五街道追分の地」とも呼ばれるこの場所は、日光街道の他に、壬生通り、結城道、佐野道、栃木道が交差していて、交通の要所となっていたのです。

1843年の『日光道中宿村大概帳』によれば、小山宿には本陣が1軒、脇本陣が2軒、旅籠が74軒、そして宿内には423軒の家々が存在し、人口は約1392人とされています。当時の日光街道は現在の県道265号線に相当し、宿場内は下町・中町・上町などから構成されていました。メインの本陣や脇本陣は、「中町」と呼ばれる現在の中央町に位置していました。

小山宿には、将軍家の日光社参のために設けられた「小山御殿」がありました。これは、徳川秀忠が日光社参を行った際に設けられた休憩所で、非常に厳重な警固がなされていたと伝えられています。残念ながら現在は遺構が見られませんが、その歴史的背景が今でも人々の記憶に残っています。

また、小山宿の周辺には「須賀神社」という名所も存在します。この神社は主祭神に素盞嗚命や大己貴命、誉田別命を祀り、建設の歴史は古く、940年頃に藤原秀郷によって創建されたと言われています。小山城の守り神としても知られていますが、城は「祇園城」とも呼ばれ、須賀神社の別称に由来しています。現在の須賀神社は小山宿の中心部から約0.7km南西に位置し、国道4号沿いにあります。

さらに、寺院の「天翁院」も興味深い歴史があります。小山氏の菩提寺で、久寿2年（1155年）に創建されたとされ、現在地に移転後は、曹洞宗の寺院として多くの信仰を集めてきました。

小山宿の交通の要所としての役割は、助郷の村々と密接に関連しています。この宿場町では、参勤交代や公用の人や物を運ぶために近隣の村々から助けを受けており、持ち場が助郷とされています。具体的には、25の助郷村が指定されており、その地元住民たちによって小山宿が支えられていたことがわかります。

小山宿は、日光街道や奥州街道に隣接し、間々田宿や新田宿とも接するなど交通の便も良好でした。これらの歴史的背景が、現在も小山宿に魅了される訪問者に伝わっています。歴史的名所や、美しい風景と共に過ごす時間は、いつの時代も多くの人々に愛され続けています。

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