関温泉

関温泉

関温泉は、新潟県妙高市に位置する山間部の温泉地です。かつて越後国と呼ばれたこの地は、妙高戸隠連山国立公園の区域内にあり、妙高山の東麓、標高およそ900メートルの高所に広がっています。

泉質と特徴

この温泉の泉質は、ナトリウム-塩化物、炭酸水素塩泉です。源泉温度は48.8℃で、湧き出す湯の色は鮮やかな赤色を呈しているのが大きな特徴です。この珍しい色の湯は、訪れる人々に強い印象を与えます。

温泉地の様子

現在の温泉街には、11軒の旅館が点在しています。かつては地域住民や湯治客に利用された三つの共同浴場（上の湯、中の湯、下の湯）が存在しましたが、残念ながら現在は残っていません。そのため、日帰り入浴を希望する場合は、各旅館の施設を利用することになります。

温泉地の近くには、冬期には多くのスキー客で賑わう関温泉スキー場があります。また、この地をこよなく愛した人物として知られる作詞家の荒木とよひさは、日本大学スキー部員としてここを訪れ、後に広く親しまれる「四季の歌」を生み出したというエピソードも伝わっています。

歴史と伝説

関温泉の開湯については、弘法大師によって発見されたとする開湯伝説があります。文献上の歴史としては、戦国時代には「関山の湯」として既に存在しており、軍神として知られる上杉謙信が密かに利用した隠し湯であったと伝えられています。正式な温泉地としての開湯は、江戸時代の享保十二年（1727年）とされています。

近現代においては、昭和47年（1972年）7月29日に、環境庁（当時）によって隣接する燕温泉と共に国民保養温泉地に指定されました。さらに、温泉地の質を重視する動きとして、2004年9月1日には、温泉評論家の松田忠徳氏や大河内正一氏らの指導のもと、源泉からそのまま引いた湯を循環・加温・加水せずに浴槽に注ぐ「源泉100%かけ流し宣言」を行い、その湯の品質に対するこだわりを明確にしました。

アクセス

関温泉へのアクセスは、公共交通機関を利用する場合、えちごトキめき鉄道妙高はねうまラインの関山駅からが便利です。駅から温泉地までは西へ約7キロメートル離れており、妙高市営バス「ぶらっと妙高山麓周遊バス」を利用すると約25分で到着します。このバス路線は、赤倉温泉スキー場など周辺のスキー場とも結ばれており、冬期の利用にも便利です。

自動車を利用する場合は、上信越自動車道を経由します。妙高高原インターチェンジからは約15キロメートル、中郷インターチェンジからは約12キロメートルの距離に位置しています。

関連情報

関温泉周辺には、関温泉スキー場のほか、同じく国民保養温泉地である燕温泉や、広大なゲレンデを持つ赤倉温泉スキー場などの温泉地やウィンタースポーツ施設が点在しており、四季を通じて様々な楽しみ方ができるエリアです。

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