関電トンネル電気バス

関電トンネル電気バスの概要

関電トンネル電気バスは、長野県大町市の扇沢駅と富山県中新川郡立山町の黒部ダム駅を結ぶバス路線です。この路線は、関西電力（関電）が運営し、関電トンネルを通過することで両県を繋いでいます。立山黒部アルペンルートの一部であり、急峻な飛騨山脈によって交通が制限された地域において唯一の直接交通手段として、観光客や地域住民に利用されています。

このバス路線は、2018年まで運行されていた無軌条電車（トロリーバス）から引き継がれています。2019年以降は、電気バスによる営業運行が開始され、環境に配慮した形態での交通提供が実現しました。

運行の現状

関電トンネル電気バスは、基本的には30分間隔で定期的に運行されていますが、正午時点では運行がない時間帯もあります。11月4日から30日までは運行時間が短縮され、冬期間の12月1日から4月14日まではアルペンルートの閉鎖に伴い運休となります。これによって、運行時期により利用者にとっての利便性が変動することもあります。

車両の特徴

電気バスへの変革によって、ジェイ・バス製の日野・ブルーリボンを基にしたノンステップバスが導入され、2020年時点で15台が運行されています。これらのバスは、充電式リチウムイオンバッテリーを備えており、トンネル内での充電は約10分で行えます。最大出力が230 kWまで達し、トロリーバスの約2倍のパフォーマンスを確保しています。

バスの内装は黒部ダムのマスコットキャラクター「くろにょん」をモチーフにしたデザインが施されています。また、トンネル内の湿度管理のため、特殊なヒーター付きバックミラーが導入されています。バスの運行経路は私道であるため、通常のナンバープレートの取得が不要ですが、公道を走行する際には特別なナンバーを保持しています。

歴史的背景

関電トンネルの建設は1958年にさかのぼり、資材輸送のためのトンネルとしての役割がスタートしました。1964年にはトロリーバスの運行が開始され、54年間に渡って安全運行が行われました。トロリーバスは2018年に運行を終了し、その後電気バスにバトンが引き継がれました。

2018年には最後の運行を祝うイベントも実施され、多くの乗客が最終便に参加しました。新しい電気バスによる運行は2019年4月から始まり、地域の移動手段としてだけでなく、観光の一環としても重要な役割を果たしています。

結論

関電トンネル電気バスは、その歴史的背景とともに進化を遂げてきた交通機関です。環境への配慮や利便性の向上に努めつつ、地域住民や観光客のニーズに応えています。今後もこの路線は、より多くの人々に利用され続けることでしょう。

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