関駅
岐阜県関市東桜町に所在する、
長良川鉄道越美南線の駅です。駅には「7」の番号が付与されています。かつては、
1999年(平成11年)から
2005年(平成17年)にかけて、
名古屋鉄道美濃町線も当駅に乗り入れており、当時の名鉄の駅についても本項で併せて記述します。
歴史
当駅は、
1923年(
大正12年)
10月5日に
鉄道省越美南線の
美濃太田駅と美濃町駅(現在の
美濃市駅)の間が開通した際に、「美濃関駅(みのせきえき)」として開設されました。当初から
旅客と貨物の両方を取り扱っていました。
特筆すべき出来事として、
1965年(
昭和40年)
10月25日には、
第20回国民体育大会に合わせて県内を巡幸された
昭和天皇・
香淳皇后が
お召し列車に乗車され、当駅を出発し
郡上八幡駅へ向かわれました。
時代の変化に伴い、貨物取扱は
1974年(
昭和49年)
10月1日に廃止されます。その後、
1985年(
昭和60年)
4月1日には一度
無人駅となりますが、同年
4月10日からは管理駅からの職員派遣により暫定的に有人対応となりました。
1986年(
昭和61年)
12月11日には、越美南線が
長良川鉄道に移管され、当駅も同社の駅となります。この移管と同時に、駅名が現在の「関駅」に改称されました。
1999年(平成11年)
4月1日には、
名古屋鉄道美濃町線の関駅が開設されました。これは、美濃町線の新関駅と美濃駅間の廃止に伴う代替輸送の便宜を図るための措置でした。
しかし、
名鉄美濃町線は
2005年(平成17年)
4月1日をもって廃止され、これに伴い名鉄関駅も廃止となりました。これにより、当駅は再び
長良川鉄道の単独駅に戻りました。
近年では、
2019年(平成31年)
4月27日に駅舎内で
鉄道模型(
Nゲージ)の
レンタルレイアウトの利用が開始され、鉄道ファンにとっての新たな魅力となっています。
駅構造
関駅は
地上駅で、相対式ホームが2面2線配置されています。駅舎は東側に隣接しており、木造建築です。駅への出入り口は合計3箇所あります。東側の駅舎からの出入り口、そして西側の旧美濃町線ホーム付近と、岐阜バスの関シティターミナル側からの出入り口です。ホーム間は構内踏切を利用して行き来できます。また、駅舎の北隣および関シティターミナルには、バリアフリーに対応したトイレが設置されています。
当駅は終日有人駅として運営されており、駅舎内の窓口で乗車券を購入できます。現在、
自動券売機は設置されていません。
駅舎に隣接して
長良川鉄道の本社と車両の検査・修繕を行う車庫(検修庫)が設けられています。このため、当駅を始発・終着とする列車や、車両交換を行う列車も設定されています。また、
夜間滞泊を行う車両もあります。2番のりばの西側には、留置線が1線あります。なお、配線の都合上、車庫へ入出庫する際には1番のりばの線路を経由する必要があります。2番のりばや留置線の車両を車庫へ移動させる場合は、一度美濃市方面の本線に引き上げてから入庫する経路となります。
駅舎内には、
鉄道模型の
Nゲージレイアウトが設置されています。これは
名古屋市内の模型店から移設されたもので、
2019年(平成31年)
4月より利用が開始されています。
のりば
長良川鉄道ののりば配置は以下の通りです。
番線 | 路線名 | 方向 | 行先 |
---|
-- | --- | ---- | ---- |
1 | ■越美南線 | 上り | 美濃太田方面 |
2 | ■越美南線 | 下り | 郡上八幡・北濃方面 |
かつて存在した
名鉄美濃町線のホームは、
長良川鉄道の2番のりば(美濃市・郡上八幡方面行きホーム)の南側に単式ホームとして設置されていました。線路と同じ高さの乗降場所で、
待合室のみが備えられていました。この名鉄ホームからは段差なく
長良川鉄道の2番のりばへ移動することが可能でした。
美濃町線が2004年度末をもって廃止されたため、名鉄の関駅も同日に廃止となりました。しかし、この駅は
1995年(平成7年)の瀬戸線印場駅以来、名鉄としては4年ぶりの新駅開設という側面も持っていました。名鉄の
駅員は配置されておらず、駅業務は
長良川鉄道への委託も行われていませんでした。乗車する際は整理券を取り、下車駅で運賃を精算する方式でした。当駅で下車する際も同様に、乗車券または運賃を車内の料金箱に投入し、先頭車両の最前部ドアから降りる形でした。
利用状況
近年の1日平均乗車人員は、2000年度には863人でしたが、
名鉄美濃町線が廃止された
2005年度には375人へと大きく減少しました。その後は概ね300人台で推移しています。
駅周辺
「関駅」という名称ですが、
関市の市街地中心部よりはやや北に位置しています。市中心部への最寄駅としては、せきてらす前駅と共に役割を分担しています。一方で、当駅は
関市内における唯一の鉄道とバスの結節点としての機能を担っています。
- - 関市文化会館
- - 関労働基準監督署
- - 関栄町郵便局
- - 日吉ヶ丘保育園
- - 関善光寺
- - 安桜山公園
- - フェザー安全剃刀総合研究所
- - 安桜台
- - 岐阜県道281号関美濃線
- - 岐阜県道60号美濃関停車場線
バス路線
駅に隣接する関シティターミナルからは、岐阜バスなどの路線バスが発着しています。また、サンサンシティマーゴ(イオン関店)へ向かう無料
シャトルバスも、土日祝日限定で運行されています。
隣の駅
長良川鉄道
■越美南線
せきてらす前駅(6) -
関駅(7) -
関市役所前駅(8)
かつて存在した路線
名古屋鉄道
美濃町線
新関駅 -
関駅