阿曽沼元秀

阿曽沼元秀（あそぬま もとひで）

阿曽沼元秀は、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将であり、毛利氏の家臣として知られています。安芸国安芸郡世能荒山荘（現在の広島県）を本拠地とする国人・阿曽沼氏の当主であり、鳥籠山城を居城としました。

生涯

阿曽沼元秀は、安芸国の国人である阿曽沼広秀の嫡男として生まれました。阿曽沼氏は、安芸国において一定の勢力を持つ国人領主であり、元秀もその家督を継いで阿曽沼氏を率いました。

文禄の役

天正20年（1592年）に始まった文禄の役では、毛利元康の軍に属して朝鮮へ渡海しました。毛利輝元は上野善右衛門を使者として元康の元へ派遣し、慶尚道東北部の要衝である安東の鎮撫を命じました。元康は元秀ら麾下の諸将を率いて安東へ入城し、治安維持に努めました。

慶長の役と最期

慶長2年（1597年）に始まった慶長の役でも、毛利秀元に従って再び朝鮮へ渡海し、各地を転戦しました。その後、蔚山倭城の築城に加わりましたが、完成間近の同年12月22日、明軍の急襲を受け、冷泉元満や都野家頼らと共に戦死しました（蔚山城の戦い）。父・広秀もその直前の11月29日に死去しており、相次ぐ不幸に見舞われました。

元秀の死後、家督は嫡男の元郷が継ぎました。

参考文献

『萩藩閥閲録』巻35「阿曽沼二郎三郎」
三卿伝編纂所編、渡辺世祐監修『毛利輝元卿伝』（マツノ書店、1982年）
* 防長新聞社山口支社編 編『近世防長諸家系図綜覧』三坂圭治監修、防長新聞社、1966年3月。NCID BN07835639。OCLC 703821998。全国書誌番号:73004060。

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