阿木城

阿木城について

阿木城は、岐阜県中津川市阿木地区に位置する、標高541mの城ヶ峰と呼ばれる山上に築かれた山城です。この城は、東西約180m、南北約150mの広さを持ち、その比高差は約60mと、自然の地形を巧みに利用して築かれています。中津川市の指定史跡にも登録されており、歴史的価値の高い城郭です。

歴史

阿木城は、戦国時代に岩村遠山氏によって築かれました。当時、岩村遠山氏は岩村城を中心に勢力を拡大しており、阿木城はその防衛拠点の一つとして機能していました。阿木城は遠山十八支城の一つであり、一族の安木遠山氏が居城としていました。

しかし、岩村城が武田氏の重臣である秋山虎繁（信友）によって落城すると、阿木城は織田・遠山氏側の最前線基地となりました。その後、天正2年（1574年）には、武田勝頼による東濃侵攻の際に陥落し、その後再建されることはありませんでした。

遺構

現在、阿木城には、往時の姿を偲ばせる様々な遺構が残っています。城山の南側登り口には、多数の出曲輪が配置されており、上部には本曲輪、二ノ曲輪、腰曲輪などが確認できます。これらの遺構は、当時の城の構造や防御機能を知る上で貴重な資料となっています。また、山の中腹には、岩村八幡神社から勧請された八幡神社が祀られており、地域住民の信仰の場ともなっています。

城の構造

阿木城の主な構成要素は以下の通りです。

①主郭：近世城郭における本丸に相当する場所で、城の中心的な役割を担っていました。
②虎口：城の出入り口であり、防御のために様々な工夫が凝らされていました。
③帯郭：郭の周りにある帯状の平坦な部分で、防御や移動に使われていました。
④土塁：土を突き固めて土手状に盛り上げたもので、防御壁や攻撃の足場として利用されていました。
⑤堀切：尾根伝いの敵を防ぐために、尾根をV字形に掘り込んだものです。
⑥竪堀：斜面を移動する敵を妨害するために、斜面を上下方向に掘ったものです。
⑦郭（曲輪）：城郭内にある一定の区画に分けられた平坦地で、様々な用途に使われました。

これらの遺構は、阿木城が山城としての機能性を十分に備えていたことを物語っています。

まとめ

阿木城は、戦国時代の歴史を今に伝える貴重な史跡です。自然の地形を活かした堅固な構造や、戦国時代の武将たちの興亡を物語る歴史は、訪れる人々を魅了します。中津川市を訪れた際には、ぜひ阿木城跡を訪れて、往時の歴史に触れてみてください。

関連項目

飯羽間城
岩村城
明知城
阿寺城
千旦林城
* 苗木城

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