阿寺城

阿寺城（明照城）について

阿寺城は、現在の岐阜県中津川市手賀野に位置していた日本の城（砦）です。別名、明照城とも呼ばれています。

歴史

1557年、美濃国の岩村城主であった遠山景前が亡くなると、後継者を巡る争いが起こりました。この時、武田晴信（後の武田信玄）の支援を受けた長男の遠山景任が岩村遠山氏の当主となり岩村城を継ぎました。次男の遠山武景は苗木遠山氏の養子となりましたが、京都からの帰路に盗賊に襲われ命を落としました。その結果、三男の遠山直廉が苗木遠山氏を継ぐことになりました。

直廉は、当初手賀野村に阿寺城を築き、明照遠山氏の初代となりました。その後、高森山砦を拡張して苗木城を築き、居城を移しました。1569年、直廉は武田信玄の命で飛騨国に侵攻し、三木氏との戦いで受けた傷が原因で亡くなりました。

直廉には男子がいなかったため、苗木遠山氏は再び断絶しました。その後、織田信長は苗木城を飯羽間遠山氏の遠山友勝に継がせました。友勝の子である遠山友忠は、飯羽間城から阿寺城に移りましたが、父の死により苗木城を継ぐことになり、阿寺城を子の遠山友重に譲りました。

1574年、甲斐武田氏の命を受けた木曽義昌の攻撃により、友重は討死し、阿寺城も陥落し、そのまま廃城となりました。

阿寺城は、直廉、友忠、友重の三代の城主によって維持されましたが、築城から30年足らずでその歴史を終えました。

注意点

岐阜県恵那市上矢作町漆原にも阿寺砦という別の砦が存在するため、混同しないように注意が必要です。

遺構

現在、阿寺城の本丸跡には御嶽神社が祀られています。本丸から市街地側に進むと、二の丸、三の丸、虎口といった城郭の遺構を見ることができます。また、背後には保古山からの侵入を防ぐために設けられた三重の堀切が残っています。

これらの遺構は、当時の阿寺城の構造を今に伝える貴重なものです。

関連事項

苗木城
飯羽間城

外部リンク

* 阿寺白米城

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