阿部正晴

阿部正晴は、江戸時代中期に活躍した旗本です。忍藩主であった阿部正武の三男として生まれました。

宝永元年（1704年）10月29日、父の遺領から武蔵国埼玉郡、男衾郡、秩父郡のうち、新墾田5000石を分与され、寄合に列しました。この時、正晴はまだ若く、将来を嘱望された存在でした。

その後、享保元年12月18日（1717年）には中奥小姓に任じられ、幕府の中枢で活躍しました。さらに、享保3年12月18日（1719年）には、従五位下・讃岐守に叙任され、その地位を確立しました。これらの役職は、正晴の能力と人望の高さを物語るものです。

しかし、享保15年（1730年）7月12日、正晴は27歳という若さでこの世を去りました。彼の早すぎる死は、多くの人に惜しまれました。正晴の死後、彼の遺領は収公されることになりました。

正晴には息子がおり、長男の正允は阿部正喬の養嗣子となり、阿部家を継ぐことになりました。また、三男の正韶は阿部正府の養嗣子となり、こちらも阿部家を継いでいます。

正晴の生涯は短かったものの、旗本として幕府に貢献し、また、息子たちがそれぞれ阿部家を継いでいく上で重要な役割を果たしました。彼の名は、歴史の中に確かに刻まれています。

参考文献
* 続群書類従完成会『新訂寛政重修諸家譜』第十、八木書店、1969年。

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