阿部正興

阿部 正興について

阿部正興（あべ まさおき）は、上総佐貫藩の第2代藩主であり、阿部家の3代目にあたります。享保19年（1734年）3月26日、備後福山藩の藩主である阿部正福の四男として生まれました。彼は、藩内外で名家に生まれたものの、藩主としての人生は非常に短いものでした。

幼少期から養子になるまで

延享3年（1746年）1月、当時の佐貫藩主である阿部正鎮の養子となります。この養子縁組は、阿部家の血筋を守るために行われたもので、正興が藩主としての教育を受けるための重要な一歩でした。彼は、佐貫藩のリアルな政治や家族間の複雑な関係の中で成長していったことが想像されます。

藩主としての経歴

時は流れ、寛延2年（1749年）12月には従五位下・山城守に叙位され、正式に官職に任じられました。宝暦元年（1751年）、養父の阿部正鎮が死去すると、正興は家督を引き継ぎ、佐貫藩の藩主となりました。彼の治世は短命であったものの、藩主としての責任を背負いながら、藩の運営に尽力したとされています。

その後、宝暦7年（1757年）には因幡守に遷任し、より高い地位に昇進しました。このように、若くして政に携わることになった彼は、藩の発展に寄与するため模索していたことでしょう。

短い生涯と後継

しかし、阿部正興の人生は非常に短かったことが残念です。彼は宝暦14年（1764年）3月11日に31歳または32歳で亡くなりました。彼の死去は佐貫藩にとって大きな痛手であり、藩内での安定が揺らぐ一因となったとも言われています。

正興の跡を継いだのは、養子となった阿部正賀（正鎮の実子）であり、藩は彼が引き継ぐこととなりました。このように、正興の短い藩主期間ながらも、その後の佐貫藩に影響を与える要素がいくつか存在しました。

家族と系譜

阿部正興の生涯における家族関係も興味深いものです。彼の実父は阿部正福で、実母は側室の福地氏でした。養父の阿部正鎮との関係は特に重要で、彼が藩主として政治を行う上での教育や指導があったと考えられます。

正興の婚姻関係については、正室には阿部正鎮の長女である於雄、継室には大久保忠胤の娘である於状・浄影院が存在します。また、子女には養子の阿部正賀が控え、藩主としての役割を担いました。

結び

阿部正興は若くして藩主としての道を歩みながらも、不運にもその生涯を短く終えることとなりました。その生涯からは多くの教訓を学び、藩の歴史を知る上で興味深い人物であります。

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