陸法言

陸 法言について

陸法言（りく ほうげん）は、中国の隋代に活躍した音韻学者であり、その生没年は不詳です。彼の本貫は魏郡臨漳県にあり、法言は字で、名は詞または慈とされています。彼は陸爽の息子であり、稽胡人に属する人物です。

彼の業績

法言の最も顕著な業績は、601年に編纂された音韻学の著作『切韻』です。この五巻からなる書物は、古来の韻書を統合し、漢字の発音に関する標準を確立しました。『切韻』の序文によると、隋の開皇における初期、法言の家には8人の有名な学者、劉臻、顔之推、盧思道、李若、蕭該、辛徳源、薛道衡、魏彦淵が集まり、音韻に関する議論を行いました。この協議を経て、十数年の歳月をかけて『切韻』が完成したことが記されています。

科挙制度と『切韻』の重要性

607年に始まった科挙制度は、詩文の出来栄えに基づき、誰でも政府の重要な職に就くことができるという画期的な制度でした。これにより、詩文に関する高度な理解が求められ、そのためには標準的な漢字音に精通していることが不可欠でした。法言の『切韻』は、その音韻の知識を学ぶための重要な手引書となり、詩文の試験を克服するうえで欠かせない資料となりました。

『切韻』の影響

『切韻』の編纂後、中国では『唐韻』や『広韻』といった改訂版が出版され、後の音韻学における基礎となりました。つまり、『切韻』を元にした音の分類が、以降の中国語の音韻体系を定義することになり、この書は中国語の音韻学における金字塔的な存在とされています。『切韻』によって確立された基準音は、その後の時代においても影響を与え続け、音韻学における重要な指針となりました。

まとめ

陸法言は、その業績を通じて中国音韻学の発展に寄与し、特に『切韻』は彼の最大の功績として今日まで語り継がれています。この著作は、音韻についての理解を深めるうえで欠かせない資料であり、多くの学者によって参照され続けています。法言の専門的な知見は、後の世代における漢字音の標準化に大きな影響を与え、中国語の音韻学において重要な位置を占めることとなりました。

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