陽明山管理局

陽明山管理局の解説

陽明山管理局（ようめいさんかんりきょく）は、かつて中華民国台湾省に存在した行政区画です。1950年以前は草山管理局（そうざんかんりきょく）と呼ばれていました。現在の台北市北投区と士林区に相当する地域を管轄し、地方自治の監督や建設事業などを行っていました。

沿革

1949年、国共内戦の混乱の中、蔣介石が草山に移り住んだことがきっかけとなり、要人の安全確保のため草山管理局の設置が急遽決定されました。当初は台湾省立台北商業学校を仮事務所として準備が進められ、その後、草山衆楽園に移転しました。同年8月には、正式に台北県から士林鎮と北投鎮が分離され、草山管理局が発足しました。初代局長には施季言が任命され、管理局は逸園に移転しました。

1950年、草山が陽明山に改称されたことに伴い、草山管理局も陽明山管理局に改称されました。1967年には台北市が台湾省から独立し、院轄市（現在の直轄市）に昇格。翌年には、士林鎮と北投鎮が台北市に編入され、それぞれ士林区と北投区となりました。これにより、陽明山管理局は台北市の下部機関となり、市と区の中間の行政機関として両区を管轄することになりました。

1974年、台北市政府は陽明山管理局の行政機関としての機能を廃止し、景観の維持・管理のみを担当する機関としました。これにより、士林区と北投区は台北市政府の直接管轄下に入りました。1977年には陽明山管理局は陽明山管理処に降格し、台北市政府民政局の下部機関となりました。さらに1980年には、陽明山管理処は陽明山公園管理所に降格し、業務は台北市政府工務局公園路燈工程管理処に移管されました。

組織

設立当初

設立当初の陽明山管理局には、台湾省政府が任命した局長と事務を担当する主任秘書が置かれました。局長は台北県議会に出席し、施政報告を行っていました。下部組織として、総務科、行政科、工務科、警務科、主計室、人事室、衛生事務所が設置されていました。

行政機能廃止時

行政機能廃止時には、行政院が任命した局長と主任秘書が置かれ、局長は台北市議会で施政報告を行っていました。下部組織としては、秘書室、民政処、建設処、財政科、教育科、兵役科、農林科、地政科、総務科、安全室、研究発展室、主計室、人事室、警察総所（士林警察所、北投警察所）、衛生院（局立陽明病院）、税捐稽征処、民防指揮部、地政事務所、公園管理処、家畜疾病防治所、垃圾堆肥処理場、養護工程隊、自来水廠、局立図書館、公墓火葬管理所、陽明養老院がありました。

陽明山管理局は、その成立から組織変更、そして行政機能の廃止まで、台湾の地方行政の変遷を象徴する存在と言えるでしょう。

歴代局長

歴代局長については、詳細な情報が不足しているため、ここでは割愛させていただきます。

参考文献

* 高純淑 (2014). “蔣介石的草山歲月—從日記中觀察”. 蔣介石的日常生活. 天地図書. ISBN 9789866475283

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