階級政党

階級政党の概要

階級政党（かいきゅうせいとう）は、主に労働者階級の利益を代表する政党のことであり、特定の社会階級の立場を支持基盤にしている政党を指します。このような政党は多くの場合、社会主義や共産主義の思想に影響を受けており、特に労働者階級を中心に位置付けられることが一般的です。その対義語とされるのは、より広範な国民全体を代表することを掲げる国民政党です。

階級政党の歴史的背景

階級政党の発展は、歴史的にマルクス主義の影響を受けた社会主義や共産主義思想のもとで強調されてきました。特に、労働者階級、すなわちプロレタリアートを代表する政党として位置づけられており、資本家階級に対抗する存在として「ブルジョアジー政党」と呼ばれる資本家側の政党とは対立する関係にあります。

しかし、時が経つにつれ、社会の変化が生じ、特にロシア革命後にはレーニン主義が影響力を持ち、農民も重要な支持基盤として考えられるようになりました。この結果、労働者階級と農民階級を併せ持つ「二階級政党」としてのあり方や、農民に特化した政党が登場することになりました。たとえば、労働農民党や中国共産党がその例です。ここで重要なのは、階級政党が組織化や大衆性に力を入れるあまり、少数の革命家による運動に留まる場合もあるという点です。

現在の実情

20世紀に入ると、社会がますます多様化し中産階級や市民の成長が進行しました。ホワイトカラーの増加や大衆社会の形成などに伴い、社会層の変化がもたらされ、多様な価値観が出現します。この状況下では、従来の階級政党の思想が後退し、社会主義政党が国民全体の福祉や社会保障の充実を中心に掲げる社会民主主義へと移行する道を選ぶようになりました。たとえば、ドイツ社会民主党は1959年に国民政党としての方向転換を行いました。

こうした流れは冷戦の終結を経て、より一層決定的になりました。さらに、宗教や信仰を基盤とした宗教政党、保守政党や中道・リベラルな自由主義政党、環境問題を訴える市民運動を代表する政党など、階級の枠を超えた新たな政治勢力が出現しています。

日本における階級政党

日本においては、日本共産党が今なお階級政党を自任しています。党規約には「労働者階級の党であり、同時に日本国民の党である」と明記されており、その実現する目標がやや曖昧ではあるとの指摘もあります。かつての日本社会党も、自身を共産主義的な階級政党とするか、社会民主主義的な国民政党とするかで、党内が二つに分かれた歴史があります。その結果、左派と右派に分かれ、それぞれ異なる政策を掲げる状況が生まれました。

1955年には再統一が実現し、民主社会党を形成する過程を経て、1964年には労働者階級を基盤とする階級的大衆政党としての位置付けが確立されました。左派の影響力はその後も持続し、社会民主党や新社会党の形成にも寄与しました。一方、右派は政治の流れに応じてポジションを変える中で、1994年には自社さ連立を経て分裂しました。

階級政党の位置付けは、時代の変化とともに変わりつつあるものの、現在もなお重要な存在であり続けています。

もう一度検索