雁坂トンネル有料道路

雁坂トンネル有料道路の概要

雁坂トンネル有料道路（かりさかトンネルゆうりょうどうろ）は、埼玉県秩父市と山梨県山梨市の県境付近を結ぶ有料道路です。この道路の大部分は、標高2,082メートルの雁坂峠の下に位置する雁坂トンネルを通ります。1998年4月23日に開通し、全線が国道140号に指定されています。

機能と特徴

この有料道路は、主に埼玉県と山梨県を結ぶアクセス道路としての機能を有しており、多くの観光客や地域住民に利用されています。雁坂トンネルは長さ6,625メートルで、日本国内では一般国道として最長のトンネルの一つです。原付一種（50cc未満）が通行可能なトンネルとしては最長となります。

これまで、埼玉県と山梨県の間には直接自動車で移動できる道路が存在せず、国道140号の県境区間は旧秩父往還による登山道のみが利用されていました。そのため、中央自動車道などを使った迂回が必要であり、この区間は長い間「開かずの国道」として知られていました。

開通後の交通状況

雁坂トンネルの開通後、埼玉県と山梨県間での観光需要が高まり、また中央自動車道の渋滞を避けるために多くの利用がありました。開通から2006年（平成18年）までの間、交通量は計画の80%を超える状況が続きました。しかし、2007年（平成19年）に圏央道の一部が開通すると、その後の交通量は減少し、2017年度には当初の計画の40%程度まで落ち込むこととなりました。

このような状況を受けて、2015年7月から11月までの期間に全車種の通行料金が無料になる施策も実施されました。現在、有料道路の料金は普通車で740円となっており、現金または回数券による精算が必要です。なお、ETCは設備されていません。

管理と通行ルール

雁坂トンネルの管理は山梨県道路公社が行っており、管理施設も山梨県側に集中しています。トンネル内では、歩行者や自転車は通行できず、また危険物を積載した車両も通行禁止とされています。原付は通行可能ですが、公共交通機関としてのバス路線も設けられていません。

トンネル内放送と通信

雁坂トンネル内では、多くのラジオ局が再送信されています。これにより、ドライバーはトンネルの中でもエンターテイメントや情報を得ることができます。放送局の選定は、県境を越える特性や地域の需要を考慮して行われています。

歴史的背景

このトンネルの構想は1953年に発表され、その後1968年から調査が始まり、1984年にルートが承認されました。1985年には国土交通省によって事業化が進められ、1988年に工事が着手されました。1994年には本坑が貫通し、1998年にトンネルが開通しました。この道路は地域の交通インフラとして重要な役割を果たしており、今後も多くの利用が見込まれています。

結論

雁坂トンネル有料道路は、埼玉県と山梨県を結ぶ重要な交通路であり、観光や地域発展に寄与し続けています。その長大なトンネルとともに、便利なアクセスを提供しているこの道路は、多くの人々にとって不可欠な存在です。

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