雑阿含経

『雑阿含経』について

『雑阿含経』（ぞうあごんきょう、梵: Saṃyukta Āgama）は、仏教の漢訳『阿含経』の一つであり、説一切有部所伝という分類に属します。この経典は、パーリ語で書かれた「相応部」（サンユッタ・ニカーヤ）に相当していますが、パーリ語版とは異なる独自の特徴を持っています。この経典は、大正新脩大蔵経の中でNo99として位置付けられていて、全体で1362経からなり、様々な教えや内容が収められています。

概要

『雑阿含経』の特徴的な点は、「雑」という名称が示す通り、元々のテーマ別の整理が崩れていることです。通常の経典では主題ごとに体系立てられていますが、この経はさまざまな教義や物語が整理されずに混在しています。そのため、内容を把握する際には、読者が自らの理解力を駆使して、情報を紐解く必要があると言えるでしょう。この点が一部の研究者たちにとっては興味深い部分ともなっています。

収録されている内容

『雑阿含経』には、苦しみからの解放や悟りへの道についての教えが豊富に含まれています。仏教の基本教義である四諦や八正道に関連した文言も数多く収められており、仏の教えを広く学ぶための貴重な資料となっています。また、具体的なエピソードや比喩を用いた教えが多く、読み物としても楽しめる要素を持っています。

出典や関連書籍

この経典の日本語訳としては、『国訳一切経』として知られる訳本が存在し、印度撰述部阿含部の第1-3巻が大東出版社から出版されています。また、『新国訳大蔵経』にも収録されており、印度撰述部阿含部の第4-5巻として、大蔵出版から発行されています。これらの訳本は、現代においても多くの研究者や信者によって参照されており、仏教の教えを学ぶために重要な資料となっています。

関連項目

『雑阿含経』の他にも、仏教には様々な経典が存在します。例えば、『阿含経』や『長阿含経』、『中阿含経』、さらには『増一阿含経』といった経典があります。これらの経典はそれぞれ異なるアプローチで仏教の教えを伝えていますが、共通して探求すべきテーマや問題意識を持つ点では類似しています。

参考文献と外部リンク

更なる研究や理解を深めるためには、外部の信頼できる資料を参照することが推奨されます。特に、東京大学大学院人文社会系研究科が提供する「雑阿含経」のテキストデータベースは、研究者にとって貴重なリソースとなるでしょう。ここで、情報をインタラクティブにアクセスすることができます。

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