雲台二十八将

雲台二十八将について

雲台二十八将（うんだいにじゅうはっしょう）は、後漢の光武帝によって天下統一を実現する上で重要な役割を果たした28人の貴族や武将を指します。彼らは、光武帝の治世において高い評価を受け、その功績により歴史に名を刻んでいます。この称号は、永平年間に明帝が前代の功臣たちの肖像を描かせたことから生まれました。

この28人の将軍たちについて、永初6年（112年）に安帝から発せられた詔には、彼らが「天命を受けた天子を扶けた勇猛な臣下であり、讖記に徴兆がある」と記されています。また、彼らの功績はさまざまに評価され、他にも王常、李通、竇融、卓茂の4人が加わり、合計32人が雲台に顕彰され、「雲台三十二将」と呼ばれることもあります。

ただし、光武帝の功臣の一人である馬援は、娘が明帝の皇后であったために選ばれなかったという逸話が残っています。興味深いことに、東平王劉蒼が彼の像が描かれない理由を尋ねた際、明帝はただ笑って答えなかったというのです。このような過程や選定の背景は、功臣たちに対する政治的な配慮があったことをうかがわせます。

後漢書における評価

後漢時代に著された『後漢書』の中で、歴史家の范曄は「中興の二十八将」として雲台二十八将について言及しています。彼はこの将軍たちを「智勇を奮い、佐命の臣と称される者たち」とし、高い志操と才能を持つ者たちとして評価しています。特に、彼らは前漢初期の功臣たちのような粛清を免れた一方で、朝廷で要職に任命されなかった点が語られています。

この理由について、范曄はその著作の中で背景を詳しく論じています。彼は、前の時代の春秋時代においても功臣たちが適切な地位にあったことを引き合いに出し、漢初の功臣たちが与えられた権力が逆に君主にとって疑惑を生む要因となり、いくつかの乱が引き起こされたことを指摘しました。

光武帝はこうした歴史的教訓を踏まえ、従来の権力配分とは異なる方法で雲台二十八将に接したということです。その結果、彼らはその名誉を保ちながらも、具体的な権力を持たない存在となったわけです。

雲台二十八将の序列

雲台二十八将は以下のように序列が付けられています：
1. 太傅・高密侯 鄧禹
2. 大司馬・広平侯 呉漢
3. 左将軍・膠東侯 賈復
4. 建威大将軍・好畤侯 耿弇
5. 執金吾・雍奴侯 寇恂
6. 征南大将軍・舞陽侯 岑彭
7. 征西大将軍・陽夏侯 馮異
8. 建義大将軍・鬲侯 朱祜
9. 征虜将軍・潁陽侯 祭遵
10. 驃騎大将軍・櫟陽侯 景丹
11. 虎牙大将軍・安平侯 蓋延
12. 衛尉・安成侯 銚期
13. 東郡太守・東光侯 耿純
14. 城門校尉・朗陵侯 臧宮
15. 捕虜将軍・楊虚侯 馬武
16. 驃騎将軍・慎侯 劉隆
17. 中山太守・全椒侯 馬成
18. 河南尹・阜成侯 王梁
19. 琅邪太守・祝阿侯 陳俊
20. 驃騎大将軍・参蘧侯 杜茂
21. 積弩将軍・昆陽侯 傅俊
22. 左曹・合肥侯 堅鐔
23. 上谷太守・淮陵侯 王覇
24. 信都太守・阿陵侯 任光
25. 豫章太守・中水侯 李忠
26. 右将軍・槐里侯 萬脩
27. 太常・霊寿侯 邳彤
28. 驍騎将軍・昌城侯 劉植

雲台二十八将という名は、彼らの功績とその後の歴史的評価に今なお重要な意味を持っています。彼らの物語は、後漢時代の政治の複雑さを物語り、武将たちがどのように権力構造の中で生き残っていったのかを示しています。

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