零位法

零位法とは

零位法（れいいほう、英: zero method、null method）は、測定手法の一つであり、特に高精度を必要とする分野で広く用いられています。この方法は、測定するできる量がある基準となる量と等しいかどうかを確認することで、測定量を明らかにするという特徴があります。測定方法全般は大きく分けると、結果として得られる計器の指示値を読み取る「偏位法」と、基準量との比較によって測定を行う「零位法」の二つに分けられます。偏位法の例としては体重計や電圧計などがあり、零位法には天秤や電位差計といった装置が該当します。

特徴

零位法の特徴の一つは、測定量を基準量と一致させるための調整が必要である点です。確かに、このプロセスには手間がかかりますが、その一方で、測定を行う際の平衡の検出精度は非常に高く、基準量の精度と同等の精度で測定が可能です。また、偏位法では測定対象からエネルギーを抽出することで計器の指針を動かすのに対し、零位法では平衡点においてエネルギーを「取る」ことがないため、測定対象に与える影響は最小限に抑えられます。このため、特に高精度を要する測定が求められる場合、多くの場面で偏位法ではなく零位法が選ばれています。

零位法の実例

零位法の具体的な例としては、以下のようなものがあります。

1. 天秤: 天秤の一方の皿には既知の重量の分銅を置き、もう一方の皿には測定対象の物体を置きます。両皿のバランスが取れた時に、物体の重量を求めることができます。

2. 直流電位差計: ここでは標準電池の起電力を基準にして、回路内の抵抗を調整します。基準としての電池起電力に対して、対象となる起電力を測定することで高精度な電圧測定を行います。

3. ブリッジ回路: 電気の流れに関して「電位の等しい二点間には電流が流れない」という特性を利用した測定方法であり、既知の抵抗、キャパシタンス、インダクタンスなどを基準量として用いて、未知の値を求めることができます。

関連技術

零位法に関連する測定技術としては、偏位法、ホイートストンブリッジ、マクスウェルブリッジ、ヘイブリッジ、検流計などがあり、これらの技術はそれぞれの特性や用途に応じて利用されています。これらの直接的な適用は、精度が求められる分野において、測定の信頼性を確保するために重要です。

零位法は、科学や工業の様々な場面でその高精度と微細な調整が可能である点から重宝されています。今後も進化する技術の中で、この測定方法の重要性はさらに増していくと考えられます。

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