電通銀座ビル

電通銀座ビルの概要

電通銀座ビル（でんつうぎんざビル）は、東京都中央区銀座七丁目に位置する重要な建築物で、「銀座電通ビル」という略称でも知られています。このビルは1933年に竣工し、その当時から1967年まで大手広告代理店である電通の本社が置かれていました。現在でも、電通の関連企業や広告関連団体が入居しています。

歴史的背景

電通の歴史は1901年に遡ります。その年に光永星郎が日本広告株式会社を設立し、同年中に電報通信社を併設しました。初めての社屋は現在の銀座4丁目に位置していましたが、その後社屋は銀座6丁目へと移転しました。1909年に光永は株式会社日本電報通信社を設立し、1910年に電報通信社を買収し、日本広告との合併により大きな基盤を築きました。

1911年には新たに西洋風の社屋を銀座6丁目に建設しましたが、さらなる拡大が必要となり、銀座7丁目に3階建の新社屋を建設しました。1923年の関東大震災により初期の社屋は焼失しましたが、復興事業の一環として1933年に耐震建築の電通銀座ビルが完成しました。

1967年には新しい本社ビルが中央区築地に完成し、電通の本社機能は新しいオフィスに移転しました。この際、社員たちは感謝の意を込めて、銀座から築地まで行進しました。1988年からはビル内に電通プロモーションギャラリーが設置されていましたが、2002年にはその機能が新しいアド・ミュージアム東京に引き継がれました。

建築の特徴

電通銀座ビルの設計は横河工務所によるもので、当時の建築基準法に基づいて、高さ制限いっぱいに建設されました。ビルは8階建てで、当時の銀座で最も高い建物として注目を集めました。正面玄関の上に位置する社章や装飾には、吉祥天や広目天のレリーフがあります。エレベーターホールもモザイクタイルで華やかに装飾されています。

完成当初、電通は1階から8階にかけて様々な部門を設置し、例えば営業部や経理課、役員室などがありました。また、ビル内には専用の通信設備も整えられていました。ビルの入居者には、電通が関わりのある新聞社の東京支局やいくつかの店舗も含まれていました。

入居企業と団体

電通銀座ビルには、東京広告協会や全日本広告連盟など、さまざまな広告関連団体が入居しています。その中には、過去にはACジャパンや日本広告業協会、電通育英会なども存在していました。これらの団体は広告業界において重要な役割を果たしており、様々な活動を展開しています。

結論

電通銀座ビルは、広告業界における歴史的な建物だけでなく、東京都内の重要な文化財としても評価されています。今後もその独自の役割を果たしながら、銀座の街並みに貢献し続けることでしょう。

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