霜月たかなか

霜月たかなか（しもつき たかなか）氏は、1951年生まれの日本のフリーライター、漫画評論家です。本名は原田央男（はらだ てるお）で、埼玉県出身です。彼は、コミックマーケットの初代代表を務めたことで広く知られています。また、東洋大学文学部通信教育課程で非常勤講師を務めた経験も持ちます。

1971年、霜月氏は和光大学に入学。1975年には、米澤嘉博、亜庭じゅんらと共に漫画批評集団「迷宮」を結成し、漫画批評活動を開始しました。この「迷宮」の活動の一環として企画されたのが、漫画同人誌の即売会「コミックマーケット」です。彼はその初代代表に就任し、イベントの基礎を築きました。1980年に代表を辞任した後も、アニメを中心としたサブカルチャー分野のライター、漫画評論家として精力的に活動を続けています。

霜月氏は、多数の著書を執筆しており、その中には漫画やアニメに関する深い知識と考察が凝縮されています。

単著

『誕生!「手塚治虫」マンガの神様を育てたバックグラウンド』（朝日ソノラマ、1998年）では、手塚治虫のルーツに迫り、彼の漫画観形成の背景を詳細に分析しています。
『ドキュメント・ボトムズ 高橋良輔アニメの世界』（三一書房、2000年）では、アニメ監督、高橋良輔の世界観に焦点を当て、その作品の魅力を深く掘り下げています。
『完全保存版 鉄腕アトムコンプリートブック』（メディアファクトリー、2003年）は、手塚治虫の代表作『鉄腕アトム』に関する決定版ともいえる資料集です。
『コミックマーケット創世記』（朝日新書、2008年）では、自らが初代代表を務めたコミックマーケットの誕生から黎明期を振り返り、その歴史を詳細に語っています。
『COM 40年目の終刊号』（朝日新聞出版、2011年）は、漫画雑誌『COM』の歴史を振り返り、その終刊号に至るまでの経緯をまとめています。

共著

『川本喜八郎 ANIMATION & PUPPET MASTER』（角川書店、1994年）では、人形アニメーション作家、川本喜八郎の作品世界を考察しています。
『『エヴァ』の遺せしもの』（青弓社、1997年）では、切通理作、高田明典らと共に、アニメ作品『新世紀エヴァンゲリオン』が社会に与えた影響について議論を展開しています。
『天才パソコミ塾』（集英社インターナショナル、2002年）では、なにわぎひろと共同でパソコンとコミックの融合をテーマにした作品を執筆しています。
『Dr.マシリト 漫画最強術』（集英社、2023年）では、鳥嶋和彦と共に、漫画制作のノウハウについて語っています。

また、小説作品として、

『機動戦士Oガンダム 音声多重アウトサイドストーリー』（みのり書房『月刊OUT』連載、1987年）
* 『機動戦士OガンダムII』（みのり書房『月刊OUT』連載、1988年）

といった作品も発表しています。これらの作品は、アニメ『機動戦士ガンダム』をモチーフにしたオリジナルストーリーです。

さらに、メディア出演としては、ラジオ番組TOKYO M.A.A.D SPIN「ゆう坊＆マシリトのKosoKoso放送局」（J-WAVE、2023年）に、桂正和らと共にゲスト出演したことがあります。幅広い分野で活動していることが伺えます。

これらの活動を通して、霜月たかなか氏は、日本のサブカルチャー、特に漫画とアニメの分野において、重要な役割を果たしてきた人物の一人と言えるでしょう。

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