青山秀夫

青山秀夫（1910年3月21日 - 1992年2月16日）は、日本の経済学者であり、経済学博士と社会学博士の学位を持つ、京都大学の名誉教授です。岡山県出身の青山は、その学術的なキャリアを通じて、ミクロ経済学、経済変動理論、そして経済社会学といった多岐にわたる分野で重要な貢献をしました。

学術的業績

青山の専門分野は、独占や不完全競争の理論研究といったミクロ経済学、経済変動理論の体系的な研究、そしてマックス・ヴェーバーの研究を含む経済社会学です。また、資本主義経済や自由企業制度についても深い洞察を持っていました。彼は高田保馬に師事し、その門下からは猪木武徳、森嶋通夫、馬場正雄、市村眞一、鎌倉昇、建元正弘、森口親司、真継隆など、日本を代表する多くの経済学者が輩出されました。衆議院議長を務めた伊吹文明も青山の教え子であり、彼のアドバイスにより大蔵省に入省しました。

略歴

1929年3月、第六高等学校を卒業後、1932年3月に京都帝国大学経済学部を卒業しました。その後、1946年7月に京都大学経済学部の教授に就任し、1973年4月までその職を務めました。1951年11月には京都大学から経済学博士の学位を授与されています。1959年1月から1960年1月まで京都大学経済学部長を、1966年4月から1971年12月までは京都大学経済研究所所長を歴任しました。1971年4月から1972年3月までは理論・計量経済学会の会長を務めています。

1973年4月に京都大学を離れた後、関西学院大学社会学部の教授として1978年3月まで教鞭を執り、同大学から1978年3月に社会学博士の学位を取得しました。1981年8月には摂南大学の教授に就任し、1987年3月まで務めました。1982年4月からは摂南大学経営情報学部の学部長を1987年3月まで兼任しました。1984年12月には日本学士院会員に選出され、その功績が認められ、勲二等旭日重光章を受章、1992年2月には従三位を追贈されました。

著書

青山は数多くの著書を執筆しており、その中には以下のものが含まれます。

『独占の経済理論』（1937年、日本評論社）
『北欧学派』（1941年、日本評論社）
『近代国民経済の構造』（1948年、白日書院）
『経済変動理論の研究 第一巻』（1949年、日本評論社）
『経済変動理論の研究 第二巻』（1951年、日本評論社）
『経済理論の一般的基礎』（1950年、日本評論社）
『マックス・ウエーバーの社会理論』（1950年、岩波書店）
『人としてのマックス・ウェーバー』（1950年、有斐閣）
『マックス・ウエーバー――基督教的ヒューマニズムと現代』（1951年、岩波新書）
『経済学入門』（1952年、日本放送協会）
『ビジネスの擁護』（1952年、創文社）
『剣橋学派及び北欧学派の経済変動理論』（1953年、創文社）
『青山秀夫著作集 全6巻、別巻1巻』（1999年、創文社）

また、マックス・ウェーバーの著作の翻訳にも携わり、以下の書籍を共訳しました。

『マックス・ウェーバー 一般社会経済史要論（上巻）』（黒正巌共訳、1954年、岩波書店）
『マックス・ウェーバー 一般社会経済史要論（下巻）』（黒正巌共訳、1955年、岩波書店）

さらに、E.H.チェンバリンの『独占的競争の理論』（1966年、至誠堂）を翻訳しました。

編書

編集者としては、以下の書籍を手がけました。

『日本経済と景気変動』（1957年、創文社）
* 『現代経済学』（安井琢磨共編、1968年、日本経済新聞社）

青山秀夫は、その幅広い研究領域と教育活動を通じて、日本の経済学界に大きな足跡を残しました。彼の著作や翻訳は、今日の経済学研究においても重要な文献として参照されています。

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