青野敬子

青野 敬子

1973年4月8日生まれ。日本の元女子プロレスラー。約25年に及ぶ現役生活の中で、様々な団体を渡り歩き、そのキャリアは波瀾万丈と評される。

キャリアの始まりとLLPW時代

1994年に女子プロレス団体LLPWに入門。翌1995年2月10日、後楽園ホール大会でのレオ北村戦で念願のデビューを果たす。LLPW所属時代には、遠藤美月、カルロス天野と共にユニット「DASH!」を結成し、ブラックJOKERやG-MAXといった他のユニットと激しい抗争を展開した。2002年6月15日には、桂スタジオ大会でブラックJOKERから勝利を収め、遠藤、カルロス天野とのトリオで第10代LLPW認定6人タッグ王座を獲得するなど、団体の中核として活躍。選手会長を務めた時期もあった。しかし、2004年3月31日付でLLPWを離れることとなる。

フリーランス期間と「ECO」としての活動

LLPWを離れフリーランスとなってからも、青野はNEO女子プロレスやGIRLS DOORといったリングに素顔で参戦し続けた。しかし、この時期、並行してJWP女子プロレスに「別の姿」で上がっているという噂が関係者の間で囁かれ始める。その「別の姿」と目されていたのが、覆面レスラー「ECO」であった。そして、2007年4月15日に開催されたJWP後楽園ホール大会で、ECOの正体が明らかになる歴史的な瞬間が訪れる。ECO、コマンド・ボリショイ、闘獣牙Leonによるマスカラ・コントラ・マスカラ（敗者マスク剥ぎ）3WAYマッチが行われ、この試合に敗れたECOがマスクを脱いだ。その下から現れたのは、まさに青野敬子の素顔であった。このサプライズは、当時の女子プロレス界に大きな衝撃を与えた。

JWP所属時代と「蹴射斗」への改名

ECOとして正体を明かした後、青野敬子はJWP女子プロレスに正式所属となる。素顔に戻ってリングに上がり続け、2007年5月13日にはリングネームを「蹴射斗」（けいと）と改めた。蹴射斗として、JWPのリングで新たなスタイルを確立。堀田祐美子とタッグを組み、第30代JWP認定タッグ王座を獲得するなど、ここでもタイトル戦線で活躍を見せた。約3年間JWPで活動した後、2010年9月19日をもってJWPを退団し、再びフリーランスの道を選択する。

ディアナ時代と引退

2011年、井上京子が社長を務めるワールド女子プロレス・ディアナの旗揚げに参加する（フリー期間中、井上のカンボジア遠征に同行したことが縁とされる）。このディアナへの参加と同時に、リングネームを本名の「青野敬子」に戻した。ディアナでは再び中心選手の一人として活躍。かつてJWPでタッグパートナーだった堀田祐美子が率いる「堀田暴走軍」に加入し、共闘。堀田とのタッグで第2代WWWD世界タッグ王座を獲得するなど、ベテランとして存在感を示した。2014年2月9日には、デビュー20周年記念興行を開催。2015年からは、マスク・ド・サンともタッグを組み、連携を見せた。そして2018年10月7日、後楽園ホール大会において、永島千佳世とのシングルマッチを行い、約四半世紀にわたるプロレスラー人生に幕を下ろした。

プロレススタイルと主な得意技

様々な団体でキャリアを積んだ青野敬子は、力強い打撃技や投げ技、そしてグラウンドでの締め技など、幅広い攻め手を持つ選手であった。代表的な得意技には、以下のものがある。

• - 変形シュバイン
• - 夜叉ロック
• - バイオレットパワーストーン
• - タランチュラ
• - ブルドッギングフェイスバスター
• - シャイニングウィザード
• - ファルコンアロー

タイトル歴

キャリアを通じて獲得した主なタイトルは以下の通りである。

LLPW
第10代LLPW認定6人タッグ王座（パートナー：遠藤美月、カルロス天野）
JWP女子プロレス
第30代JWP認定タッグ王座（パートナー：堀田祐美子）
ワールド女子プロレス・ディアナ
第2代WWWD世界タッグ王座（パートナー：堀田祐美子）

人物像とエピソード

プロレスラーとしての顔とは別に、青野敬子は非常に熱心な愛犬家としても知られている。鎌倉に在住し、あみとココアという名前の犬を飼っており、自身のブログにも頻繁に登場させていた。プロレス界でも随一の愛犬家と言われ、積極的に犬の保護活動にも関わっていた。また、調理師免許を取得しているという一面も持つ。これらの活動やエピソードは、プロレスラー「青野敬子」のリング上の姿とは異なる、温かく人間味あふれる人物像を映し出している。

引退後も、愛犬家としての活動などを通じて、多くの人々に影響を与え続けていることだろう。

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