静内駅

静内駅：日高地方の中核を担った駅の歴史

静内駅は、北海道新ひだか町静内本町に位置していた、JR北海道日高本線の駅です。2021年4月1日、日高本線の鵡川駅～様似駅間の廃止に伴い廃駅となりましたが、長きに渡り、日高地方の中心都市である静内町（現・新ひだか町）の重要な交通拠点として機能していました。

開業から廃駅まで：激動の時代を駆け抜けた歴史

静内駅の開業は1926年（大正15年）12月7日にまで遡ります。日高拓殖鉄道の厚賀駅から延伸開業した際に設置され、当初は一般駅として営業を開始しました。その後、1927年（昭和2年）の国有化、1933年（昭和8年）の日高三石駅への延伸開業、そして1943年（昭和18年）の線路名変更など、幾多の変遷を経験しました。

1938年（昭和13年）には静内機関区が設置され、鉄道の要衝としての地位を確立。多くの職員が勤務し、活気に満ち溢れた時代を過ごしました。しかし、1959年（昭和34年）に静内機関区は廃止。1984年（昭和59年）には貨物・荷物取扱いが廃止されるなど、時代の流れとともに駅の機能も変化していきました。

1987年（昭和62年）の国鉄分割民営化に伴い、JR北海道の駅となり、2001年（平成13年）には木造駅舎から、厩舎をイメージした新しい鉄骨造りの駅舎に改築されました。この新駅舎には、新ひだか町観光情報センター「ぽっぽ」も併設され、観光拠点としての役割も担うようになりました。しかし、2015年（平成27年）からの日高本線の高波被害、土砂流出による運休などを経て、2021年4月1日、廃駅という運命を辿ることとなりました。

駅の構造と機能：日高本線の運行管理の中枢

静内駅は相対式ホーム2面2線の地上駅で、夜間滞泊も可能でした。かつては機関区の支区や製材工場への専用線も存在しており、鉄道の拠点としての規模の大きさを物語っています。

終日社員配置駅であり、苫小牧駅を除く日高本線の全駅を管理下に置いていました。日高本線における列車運行管理の中枢を担い、みどりの窓口や駅レンタカーなども設置されていました。オレンジカード対応の自動券売機も設置され、利便性の高さが伺えます。苫小牧駅を除く日高本線では唯一改札業務も行っていました。

駅弁と利用状況：地域に愛された駅

静内駅では、駅弁も販売されていました。駅弁大会での販売が中心でしたが、廃駅後も地元の西谷弁当店が駅弁販売を一時的に復活させるなど、地域住民に愛された駅だったことが分かります。

利用状況は変遷を辿り、ピーク時には多くの乗客が利用していましたが、近年は減少傾向にありました。

駅周辺：静内の中心地

静内駅は、新ひだか町の中心市街地に位置しており、国道235号沿いに商店街や大型スーパーなどがあり、生活に便利な環境が整っていました。町役場や警察署、郵便局、銀行、学校などの公共施設や商業施設も近接しており、静内の中心地として重要な役割を担っていました。バス路線も充実しており、町内各地や近隣地域へのアクセスも容易でした。

廃駅後の静内：新たな発展への期待

静内駅の廃駅は、地域住民にとって大きな出来事でした。しかし、新ひだか町は、新たな交通手段の確保や地域活性化に向けた取り組みを進めており、静内駅の跡地を含め、今後の発展が期待されます。静内駅は、日高地方の歴史を刻んだ重要な駅として、人々の記憶に長く残り続けることでしょう。

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